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魔界の試験
第二章
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「何でも受ける」
「一万円分でか」
「充分。けれどどうして私の趣味と好きなものがわかった」
「いや、悪魔なら誰でも召喚してよかったけれど報酬の貢ぎもの出来るだけ不気味なものがいいだろって思ってな」
 それでというのだ。
「これならって思ってだよ」
「透明骨格標本にしたの」
「そうなんだよ」
 そうした背景だったというのだ。
「これがな」
「よくわかった、それで用件を聞こう」
 何処かの十三番目のスナイパーの様な顔とポーズになってだ、フィリアは高校生に問うた。ただし葉巻は出していない。
「宿題でも悪事でもないとすれば金か女か」
「金はいいぜ、小遣い分でやってるさ」
「じゃあ女か」
「女って言えば女だな」
「十股位かけてそのうちの一人に刺されて首切り取られそうか」
「それ何のアニメだ、大体十股って何だ」
 高校生はフィリアを指差して彼女に問い返した。
「俺はエロゲの主人公か」
「外見見たら寝取り野郎」
「だから違うって言ってるだろ、相手いる娘に手を出したりもしないからな」
「ちっ、つまらない奴だな」
「一々口が悪いな、だから俺彼女がいるけれどな」
 高校生は口が悪いままのフィリアにムキになった顔で言い返した。
「同じ学校で塾のホモにストーカーされてるんだよ」
「うほっ、いい男」
「不吉なこと言うな、そのガチホモが俺にそうしたことさせろって言って襲おうともしてくるんだろ」
「それはいいことだ、黙って禁断の味を知れ」
「知ってたまるか、警察に言っても動いてくれないしな」
 こうしたことはままにしてある、そうしてストーカーを放置して殺人事件に至ったりするのである。
「それであんたを呼んだんだよ」
「本当にいい迷惑だ」
「だから何でそんな機嫌が悪いんだよ」
「悪い様に見えるか」
「顔も口調もな、どう見てもな」
 それこそというのだ。
「悪いだろ」
「そう見えたら謝らない」
「謝れよ」
「安心しろ、日本のマスコミよりは謝る」
「あいつ等謝ることしないだろうが」
 日本のマスコミは他の存在には反省や謝罪と言い募るが自分達は絶対に反省もしないし謝罪もしない、それが日本のマスコミのスタイルだ。
「それよりって比較対象間違ってるだろ」
「気にするな」
「気にするよ、それでな」
「そのホモとのハッピーエンドを助けろか」
「俺はノーマルだよ、このホモを何とかしてくれ」
「それが依頼だな」
「さっきから言ってるだろ、御前本当に契約者の依頼聞く気あるのかよ」
「嫌々」
「おい、嫌々かよ」
「そう、嫌々」
 悪びれずに返すフィリアだった。
「そうしてやる」
「他の奴を召喚すべきだったか」
「じゃあ天使がいいか」
「ああ、天使も召喚出来たな」
「あっちは死んだら天国行きだぞ」

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