暁 〜小説投稿サイト〜
虹にのらなかった男
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「RX-VF-1 アブルホール一号機
アベル・ルセーブル出る!」

『あーるえっくすぶいえふわんせかんど。
ロザミア・バダ…ルセーブル でます!』

ペダルを踏み込み、アブルホールを発艦させる。

Gを感じ、視界が真っ暗になる。

星の世界だ。

横を見るとローザの二号機も発艦したようだ。

「ローザ。Gキツくないか?」

『まだ大丈夫だよお兄ちゃん』

「ならいい。直にホワイトベースとは連絡が付かなくなる。
短距離レーザー通信を途切れさせるなよ」

『らじゃー!』

後続のガンキャノンとガンタンクも発艦したようだ。

ガンタンクはそのまま底部スラスターで軟着陸したのだが…

ダンッダァンッ! ズゴシャァッ!

真空中なのにそんな音が聞こえそうなくらいの勢いでガンキャノンがずっこけた。

「カイ君。ここがルナ《ツー》で良かったな。
月だったら大破炎上だぞ。
あと俺達技術士官の仕事を増やすな」

『す、すいましぇぇぇん…』

ガンキャノンが立ち上がり歩行を始める。

「ローザ。ガンキャノンとガンタンクに歩調を合わせる。変形だ」

『ん!』

コンソールのスイッチを切り替え、MS形態に変形する。

ホバーを最低出力で起動し、ふわりとルナツーの地表に降り立つ。

カイ達が発艦するのを待ち、アブルホールを歩かせる。

時折ジャンプも交えつつ、パプアとムサイのランデブーポイントへ向かう。

「はぁ…結局アニメ版か…」

とまぁ、御察しの通りルナツー攻防戦である。

大筋はアニメと変わらなかったが、一つ面白かったのはガンダムの出撃を反対したのがテムさんを始めとする技術士官連中ということだ。

意外にもアムロはやる気だった。

おかしい。原作では反対だったのに。

ま、原作より戦力は多いし大丈夫でしょ。

アブルホール二機あれば結構違う。

なおローザのアブルホールのテールユニットはビールキャノンを、俺のはミサイルランチャーを装備している。

この後の事を考えている合間に、目標のクレーターまでの距離が縮まっていた。

「WB、クレーター視認まであと僅か。
傍受されないためレーザー通信を切る。
よろしいかノア少尉?」

『了解しました。ルセーブル中尉。
御武運を』

WBとのレーザー回線を切る。

「各機。作戦通りだ行くぞ」

『リュウ・ホセイ了解』

『はっハヤト・コバヤシ了解』

『カイ・シデン了解よっと』

『ん。お兄ちゃん』

やがて、クレーターに到達した。

パプアとムサイがベルトコンベアで物資の受け渡し中。

ムサイのエンジンはユニット式らしく、新しい物と交換したようで無傷だ。

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