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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第2章 鬼神の目にも涙編
Story 17 尻尾の掴み合い
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妖精の尻尾(フェアリーテイル) ギルド内―

イブキがいなくなってから半日が経とうとしていた。
目を覚ましたウェンディから鬼化(おにか)の呪いのこと、イブキがあと数日で鬼と化してしまうこと、スミレ村での出来事などを聞いた妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士達は、困惑、恐怖、悲哀などのさまざまな思いを抱えた混沌とした状態のままバーカウンター前に集合していた。

「た、大変なことになっちまったな……。」
「あ…あぁ……。俺達が、あんな新聞さえ持って来なけりゃ、こんなの事には……。」
「2人のせいじゃないよ!ほら、元気出して?」

落ち込むジェットとドロイを励ますようにレビィが明るく声をかける。そんなレビィも姿を消したイブキのことをもちろん心配していた。

「しっかし、まさか接収(テイクオーバー)鬼の魂(オウガソウル)がでっちあげだったとはな……。」
「あぁ……。つーことはよぉ、イブキの魔法そのものが呪いってことだよな?」
「そ、そうなる…よな……?」
「イブキ兄は、今までずっと呪いを使って戦ってきた……ってこと?」
「「………。」」

互いに顔を見合わせながらマカオとワカバは鬼の魂(オウガソウル)について話す。そして割って入って来たロメオの言葉に思わず黙りこくってしまった。

「ねぇパパ、ママ。イブキは?」
「え、えぇ…っとぉ……イブキはな」
「今日はまだイブキは来てないのよ。来るまで、ママ達と一緒にあっちで遊んでよっか。」
「うん!」

イブキと遊ぶのが大好きなアスカにはまだ何も伝えていない。素朴で純粋なアスカの問いにアルザックとビスカは返答するのに苦労したが、それでも娘の前では笑顔を浮かべる。これ以上はここに居られないと悟った2人はアスカの手を引いてギルドの奥へと引っ込んで行った。

「イブキ、ギルドに来てからずっと一人で抱え込んでたのかな……?」
「コテツ……。」
「僕、イブキとは付き合いも長いのに、そんな事にも気づいてあげれなかったんだ……。」

コテツは9年という長い時間、同じ場所で共に過ごしてきた仲間であるイブキがずっと苦しみ続けてきたことに気づいてやれなかったことを酷く後悔する。

「リサーナ達は知らなかったのか?接収(テイクオーバー)鬼の魂(オウガソウル)がでっちあげられた魔法だって。」
「う、うん……。」
「こんな事にも気づけなかったなんて、漢として失格だ……。」

アオイの問いにリサーナは俯きがちに小さく頷き、エルフマンは頭を抱え込む。

「………。」
「ミラさん……?」

俯き、椅子に座っているミラの膝の上に置かれている軽く握り締められた両の拳が震えているのに気づいたルーシィが声をかけると、ミラは顔を上げずに震える唇で言葉を紡ぐ。

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