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衛宮士郎の新たなる道
第3話 魂の叫び
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うに旅立たれたその父親の眠る墓に。

 「此処が昨夜、スカサハ殿から指摘されていた女の子が眠っている地なのですね」
 「ああ・・・。正直師匠の言う通りだって分かってるんだ。あの少女が死んだのは俺の責任じゃない。罪悪感を感じる事自体が傲慢なんだって事は」

 しゃがんで手を合わせてお参りをしていた士郎は、気が済んでから立ち上がってレオの指摘に答えた。

 「それでも士郎さんは納得できないんですね?」
 「まあ、な。“アイツ”にもよく言われてるし・・・」
 「ん?」
 「なんでもない」

 聞こえない様に最後の方は声音を低くしたつもりが、僅かにでもレオに聞こえていたらしい。
 となれば当然リザには聞こえていただろうが、

 「・・・・・・」

 周囲を確認すると言う護衛役を真面目にやっていた。
 勿論聞こえていなかったフリだろうが。よくできた人だ。俺なんかに好意を向けてくる趣味の悪さは如何ともし難いが。

 それをレオは冷静に観察する。

 (士郎さん。矢張り貴方は白野さんのサーヴァント、無銘の原点なのですね)

 その誰かを救い上げたいと言う願望に、女誑しぶりも含めて。
 そんな女誑しの英雄の原点は用事を済ませたと言わんばかりに振り返る。

 「さて2人共、付きあわせて悪かったな」
 「いえ。それに今衛宮邸は誰もいませんから、士郎さんとかと一緒の方が安全でしょうし」

 レオの言う通りで、滅多に外出しないスカサハは九鬼からの依頼で、マープルと共に魔力の奔流の発生地点の調査に向かった。
 スカサハ程じゃないが、必要時以外で外出しないエジソンも珍しくお出かけ中。
 小雪は準と共に行動――――主に準の監視役で外出していて、一番戦闘力の低い冬馬の護衛をシーマが付いていた。

 「合理的な判断とは言え、シーマさんはだいぶ不満そうでしたけどね?」

 これに士郎は思い出しながら苦笑する。
 いくらまたも、今この地に危機が迫っていると言ってもそれは可能性の話であり、休日に出かけられないと言うのはあんまりでは無いだろうかと言う事で、戦力バランスを考慮して冬馬の護衛にシーマを付けたのだ。
 ただ矢張り、マスターの護衛からサーヴァントを離すと言う愚行にシーマは不愉快極まりない態度だった。
 それが実のマスターからの提案ともなれば尚更である。
 取りあえずその不満が一定以下まで落ち着くまで、士郎はシーマの小言を聞かされ続ける羽目になった事を思い出した。

 「仕方ない。シーマにはそこを理解してもらわないといけないし、多分今回の様な別行動はこれから先も増え続ける」
 「士郎さんも頑なですね。これではシーマさんも苦労する」
 「わるいと思っているが仕方ない。無理にでも慣れて貰うしかない。何しろこう分
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