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銀河魔女伝説シリーズの外伝や各種設定
別伝 キルヒアイスとアンネローゼの最後 後編
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前を授けよう、無論父と母にもじゃ。
その代わり、余り顔をだせんから、ローエングラム領に住んでもらうぞよいな」

「しかし私たちは生きる資格が」
「アンネローゼ、安易に死を選ぶな。生き抜くことこそ贖罪と思うのじゃ。
キルヒアイスと子を成し家族を増やしその地に繁栄を起こすのも贖罪ぞ」

「キスヒアイス、卿も同じじゃ、アンネローゼと共に子を成し、
育て慈しみ繁栄をもたらすのじゃ」

「殿下」
「殿下」

アンネローゼとキルヒアイスは涙ぐみながら、崩れ落ちてテレーゼにお辞儀しまくる。
まるで土下座であった。

「此でよいのじゃ、グリューネワルト伯爵夫人は自害の上、館に火を放ち遺体は焼けてしまった。
キルヒアイス元中将は銃殺中に逃げ出し、
グリューネワルト伯爵邸に入り焼け死んで死体も焼けてしまった。
これが公式記録じゃ、のうズザンナ」

「御意」

「さらばじゃ、2度と逢うことは無かろう。名も無き者達よ」
颯爽と退室していくテレーゼを見て、新たな名前を貰った2人はずっとお辞儀をし続けたのであった。




帝国暦503年9月20日
■ローエングラム星系ローエングラム本星トレラント島

雄大な大地一面が黄金色に輝いている。
今年も稲は豊作だ。
其処で仕事をしている、ノッポの赤毛の男が麦わら帽子を被り直しながら汗を拭く。
「父さんー、母さんがお昼だって」
「ああ、ジークフリート、今行くよー」

手を止め、父親似で赤毛の13歳の子供を肩車しながら、
彼は家族の待つ家へ帰っていく。
 
家では金髪の優しい笑みの女性が、
母親似で金髪の11歳の娘と共に昼ご飯の支度をしている。
「アンネローゼ、お爺ちゃんとお婆ちゃんを呼んできてくれる」
「はーい母さん」



家族の団らんである。
祖父と祖母、息子夫婦に、長男、長女、そして次男、
金髪の3歳児は祖母がスプーンから食事をあげている。

「ラインハルト、好き嫌いしちゃだめよ」

ジークフリートが父に話しかけてくる。
「父さん、女帝陛下は凄いね、叛徒の首都を陥落させて降伏させたんだって。
残念だな僕も軍人になりたかったのに、これじゃ軍人に成ることが出来ないや」

「そうだな、テレーゼ様は凄いお方だったな」
「父さん女帝陛下を知ってるの」
「昔、間接的にお仕えしていたことがあったのさ」

「へー凄いね、そのお話してよ」
「ああ。教えよう、嘗て銀河を又に駆けた英雄達の物語を・・・・・・」




        銀河英雄伝説 Fin


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