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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第一部 原作以前
第三章 神前決闘編
第十四話 同時告白
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なら教えてもらおうか!俺を嵌めた理由をな!」

◇◇

「納得いかないさー!何で、何でラジェンドラ殿下がこの国から出て行かなきゃならないのさー?」

ラクシュ姉の疑問は尤もだった。あたし、パリザードもそうだし、きっと三人娘として一括りにされることの多いほかの二人、レイラやフィトナも同じ思いだろう。

あとで知った事だけど、丁度同じ話をほぼ同時刻に、あたしたちは王宮内の諜者の詰め所でカルナ様から、ラジェンドラ殿下は牢屋でガーデーヴィ殿下から聞いたそうだ。

カルナ様は、ラクシュ姉につかみかかられていると言うのに常日頃の怜悧な表情を少しも崩さない。

「では貴方たち、この先ラジェンドラ殿下がこのままこの国に居続けたら、どんな事が起きると思いますか?」

「んー?何言ってるんさ、お母さん。ガーデーヴィ殿下が間もなく即位し、ラジェンドラ殿下は実に頼もしい王弟として新王を支えるでしょう。めでたしめでたし、パチパチパチじゃんさー?」と何を決まりきったことをと言いたげなラクシュ姉。

「或いはラジェンドラ殿下は援軍を率いて、パルスとルシタニアの戦争に介入するおつもりかもしれませんね。パルスは兵力的には劣勢。そこに助力を申し出て、ルシタニアの駆逐に貢献すれば功績は大。恩賞としてアンドラゴラス王から娘を嫁に貰えるかもしれません。まあ、娘と言っても私たちの事ではなく、重臣の娘を養女に迎えてでしょうが。年回り的には万騎長マヌーチュルフの令嬢、ナスリーン辺りでしょうか」とレイラ。

あたしたちが、って話には決してならない。あたしたちはアンドラゴラス王の娘じゃないって、ラジェンドラ殿下から聞いてるからね。まあ、あたしにとっちゃ殿下は年の離れた兄さん的存在だし、ラクシュ姉の恋路を邪魔する気はないし、あたしにはちょっと狙ってる殿方が他に居るしね。他の二人はどうか知らないけどさ。

「世襲宰相家は跡継ぎの男子の存在が公的には認められていないため、マヘーンドラ様の後はラジェンドラ殿下が宰相の任を引き継ぐ事もありえるわね。そこから世襲するかどうかは判らないけれど」とフィトナ。

マヘーンドラ様は確かにご自分がジャスワントさんの父親だと認めはしたものの、後継ぎとして公的には届け出ていない。反対するであろう正妻は既に亡くなっているって点では問題ないけど、ジャスワントさん個人の資質は武に偏りすぎてるのだ。残念ながら学問に関してはラクシュ姉、バハードゥルさんと同じくらいに出来ないらしいから、宰相どころか文官の適性は皆無だろう。大丈夫、あたしもあんまり出来ないけど困ってないし。

あたしだけ意見言ってないけど、まあみんなとほぼ同意見だ。盛んにコクコクと頷いておいた。

「そうですね、他国の戦争に介入するか、宰相になるかはともかく、順調に功績を重ねるでし
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