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戦国異伝供書
第四話 治世の功その二

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「さらにです」
「その国をか」
「見事に治めましょうぞ」
「今度は名君とか」
「呼ばれる様になりましょうぞ」
「ううむ、わしが名君か」
 羽柴は信じられないといった顔で秀長に応えた。
「それはじゃ」
「兄上にしてもですか」
「とてもじゃ」
「想像もですな」
「していなかったがのう」
「官位のこと以上にですな」
「その様に褒められる立場になるなぞな」
 それこそと言う羽柴だった。
「考えていなかったが」
「しかしです」
「それをか」
「目指していきましょうぞ」
「そうなるか、ではな」
「はい、これからもです」
 兄にさらに言うのだった。
「さらに」
「功を挙げてじゃな」
「身を立てていきましょうぞ」
「それではな」
 羽柴も頷いた、そしてだった。
 二人は共に長浜の政を見ていた、その彼等も岐阜に行けば城主ではなく織田家の家臣として領土全体の政を見ていた。
 そしてだ、平手が信長の前で言った。
「さて、都じゃが」
「はい、今はです」
 石田三成が平手に応えた。
「路をさらに増やしていますが」
「あの碁盤の目の様なあれをな」
「縦横共に倍にして」
 そしてというのだ。
「その分家や店が多くなる様にしています」
「そうしてじゃな」
「街がより賑やかになる様にしました」
 都のそれをというのだ。
「これで如何かと」
「そうじゃな。わしはそれでいいと思う」
 平手は石田のその政をよしとした。
「それでな」
「わしもじゃ」
 ここで信長も言ってきた。
「都はそれでよい」
「そう言って頂けますか」
「うむ、そして都から各国に向かう道じゃが」
「はい、そのことですが」
 万見が応えた。
「今現在は摂津への道をだけでなく」
「近江、丹波とじゃな」
「そして若狭への道も」
 それもというのだ。
「今まで以上にです」
「整えておるな」
「そうしています、そして他の国々も」
「整えていっておるな」
「そうしております。橋もです」
 万見はこちらの話もした。
「架けていっています」
「そうか、それはよいことじゃ」
「港もです」
 野々村がこちらのことを言ってきた。
「今現在です」
「整えておるか」
「尾張や伊勢、志摩にです」
「摂津や和泉の港もじゃな」
「そして播磨も」
 この国もというのだ。
「港をです」
「整えておるか」
「そうしています」
「そうか、それは何よりじゃ」
「殿の言われる通りに」
「よいか、我等は二十以上の国を手に入れた」
 信長はここでこう言った。
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