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戦国異伝供書
第三話 万石取りその一
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この度の美濃攻めのことでの論功でじゃ」 
 羽柴は女房に今度はこんな話をした。
「わしは遂にじゃ」
「万石取りだね」
「そうなったわ」
 遂にと言うのだった。
「この度な」
「凄いね。織田家に入ってたった数年でじゃないか」
「足軽で入ってのう」
「殿の草履番をしたりしてね」
「そうじゃ、それがじゃ」
「あっという間にね」
「厩での仕事から侍大将になってな」
 一気にだ、そこまでなったというのだ。
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