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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と期末試験編
NO.064 死柄木弔ともう一人が忍び寄る
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『信念無き殺意に何の意義がある……?』

いつか死柄木がステインに言われたセリフである。
死柄木はその言葉が頭に靄のようにかかっており、さらにイライラを重ねていた。

「(くそが……)」

先日にも一応は仲間ととれる奴らがアジトにやってきた。
トガヒミコに荼毘という二人。
だが、それにしても二人とも、ヴィラン連合にではなく、ヒーロー殺しにあてられて仲間に入りに来ただけだ。
保須市では話題は脳無ではなく、ヒーロー殺しにほとんどを持っていかれた。
それが余計に腹立たしい……。
今は気分を変えに、たまたま立ち寄ったショッピングモールを歩いている死柄木が、周りを見れば誰もかれも不安の字も出さないで平然とこの日常を楽しんでいる。
それが死柄木には腹立たしく感じてしまっていた。

「くそっ……」
「―――弔くぅん」
「なんでこうも……」
「―――弔くぅんってばぁ……?」
「目障りなんだ……」
「―――弔くぅん! 聞いてますー?」
「…………」

一人になりたかったというのに、どういうわけかコイツ……トガヒミコが己の近くにいることに死柄木のイライラはさらに加速していた。

「……さっきからうるせぇぞ。灰にされてぇのか……?」
「そんな怖い顔しないでくださいよぉ……弔くんは神経質ですかぁ?」
「うるせぇぞ精神破綻者」
「それは弔くんには言われたくないですよー。私達同じヴィランで精神破綻者じゃないですか」
「チッ……」

調子が狂うとは正にこの事だろうと死柄木は思う。
なんで尾行をこうも簡単に許してしまったのか……。

「それより周りがやかましいですよねー? 殺してもいいですか?」
「口を開けばそれか。我慢くらいしておけ……」
「はぁい♪ ニシシ……」
「はぁ……」

死柄木は深いため息を吐く。
だが、トガがいるならちょうどいいとも思い、一つ聞いてみることにした死柄木。

「なぁ、トガヒミコ……」
「そんな他人行儀じゃなくていいですよー。トガでもヒミコでもどちらでもいいですよー?」
「はぁ……ならトガ。お前はステインをどう見る?」
「ステ様ですかー? そうですねぇ、とっても殺したいです!」
「…………」

聞いた俺が間違いだった……と死柄木はまたも深いため息を吐く。
だが、そこでトガはある事を言う。

「でもー。ステ様は信念がとってもおありだと思いましたねー」
「信念……信念か。お前もそう言うんだな」
「間違っていませんよー? ステ様はとっても理想のお高い方です。それに比べて弔くんはそういう思いとかはないんですかー?」
「おまえ……まさか今回つけてきた理由は……」
「はいー……弔くんが私が付いていくに値する人なのかを……見定めたいかとー」

『アハッ♪』と笑みを浮
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