Ep5 醜いままで、悪魔のままで
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の少年を抱き、アーヴェイを貫いた剣を引き戻す。剣に内蔵が掻き回されて、アーヴィは苦悶の声を上げる。
「ぐ……ああ……あ……!」
そんな彼を、汚いものでも見るかのような顔で、女が顔をゆがめていた。
「醜いこと。悪魔のくせして私のゼロを傷つけようとするなんて」
アーヴェイの視界がゆがむ。その身体が崩れ落ちる。
「これはもらっていくわね」
女の、声。奪われた『アバ=ドン』。アーヴェイは悔しさにその身を震わせた。
またしても勝てなかった。守ろうとして傷ついて、奪われて。
「さようなら」
烙印の少年を伴い、去っていく女性。
暗転する視界。
旅はまだ始まったばかりなのに。
――フィオル、済まない――。
零れていく血液が、大地を赤く赤く染め上げる。
彼は意識を手放した。
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