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デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
デート開始!
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しても許容出来なかったのである。
 
「おい、シドー」
 
 ………まあ、そんなことを頭の中にぐるぐる巡らせていたものだから、気づいて当然の事態に思考がいかず、校門前まで歩く羽目になってしまったのであるが。
 
「………無視をするなっ!」
 
「―――え?」
 
 視界の奥―――通行止めになっているエリアの向こう側からそんな声が響いてきて、士道は首を傾げた。
 凛と風を裂くような、美しい声。どこかで………具体的には昨日学校で聞いたことのあるような声。………今、こんなところでは、聞こえてくるはずのない、声。
 
「え、ええと―――」
 
 士道は自分の記憶と今しがた響いた声音を照合しながら、その方向に視線を集中させた。そしてそのまま、全身を硬直させる。
 視線の先。瓦礫の山の上に、明らかに街中に似つかわしくないドレスを纏った少女が、ちょこんと屈み込んでいた。
 
「と―――十香!?」
 
 そう、士道の脳か目に異常があるのでなければ、その少女は間違いなく、昨日士道が学校で遭遇した精霊だった。

−−同時刻−−

高級マンションの一室の扉前に暁夜はいた。

「ふあぁ、眠い」

白いシャツに紺のジーンズを履いた暁夜が、両腕をあげて欠伸をする。身体の節々から小気味のいい骨の鳴る音が聞こえた。

「お待たせ、暁夜」

ガチャと扉が開き、白のワンピースを着た折紙が小さな両手鞄を手に現れる。

「うっし。 じゃあ、行くか」

暁夜がそう言って手を差し伸べると、

「・・・」

コクリと頷き、折紙は微かに微笑んで暁夜の手を掴んだ。
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