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オズのガラスの猫
第三幕その十一

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「本当に」
「そうなのね」
「はい、冬は食べたくなります」
「こうしてお鍋にして」
「そうなんです、すき焼きもいいですが」
「ああ、すき焼きはね」
 このお鍋はオズマも知っていました。
「いいわね」
「オズマ姫もお好きですか」
「ええ、大好きよ」
 実際にとです、オズマは恵梨香ににこりと笑って答えました。
「あのお鍋もね」
「牛肉のお鍋でして」
「美味しいわね、あと鶏の水炊きも好きよ」
「あのお鍋もですか」
「鱈も好きだし、日本はお鍋も多いわね」
「美味しいですよね」
「どのお鍋もね、けれど本当にこの河豚のお鍋は」
 うっとりとさえして言うオズマでした。
「最高に素敵よ」
「そうなんですね」
「このお鍋なら」
「犬の国の人達もですね」
「きっと食べる筈よ」
「絶対にですね」
「そう思うわ」
 オズマはこう言いました、それもはっきりとした声で。
「私はね」
「それじゃあ」
「ええ、河豚鍋はね」
「猫の国で、ですね」
「出す候補、それもね」
 まさにというのです。
「筆頭候補にね」
「しますね」
「皆もそれでいいわよね」
 ナターシャ達四人にも聞くのでした。
「河豚鍋をね」
「出すんですね」
「犬の国の人達に」
「そうして食べてもらって」
「猫の国の人達との仲直りにつなげるんですね」
「それでいいわね」
 オズマは四人の子供達にまた聞きました。
「この河豚鍋で」
「いいと思います」
「こんな美味しいお魚そうそうないですし」
「それならです」
「これでいきましょう」 
 四人も異論はありませんでした、こうしてです。
 河豚鍋は犬の国の人達に出すお料理の筆頭候補になりました、このことが決まってそうしてからもでした。
 皆は河豚鍋を食べていきます、オズマはそうしつつこうも言いました。
「河豚はお鍋だけじゃなかったわね」
「はい、お刺身や唐揚げにしてもです」
 恵梨香は再びオズマに答えました。
「凄く美味しいです」
「そうよね」
「それじゃあですね」
「ええ、旅の間にそうしたお料理も食べて」
 河豚の、というのです。
「出すかどうか考えていきましょう」
「そうするんですね」
「是非ね、けれどこんな美味しいお魚がね」
 こうも言ったオズマでした。
「毒があるなんてね」
「そのことはですね」
「私としては残念よ」
 外の世界でのこのことはというのです。
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