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ヘタリア学園
第百六十六話  漁夫の利は続かない

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第百六十六話  漁夫の利は続かない
 本当に仲が悪いのか甚だ疑問ですがこの日もイギリスとフランスは一緒にいます。生徒会の話をしているということですが二人してお酒を飲んでいるのでそれは建前のようです。何か昔の話をしています。
「で、俺はあの時弱っていたオーストリアとスペインに止めをさしたわけだ」
「御前いつもそればかりじゃねえか?」
「いいじゃねえか。勝てばいいんだよ」
 何気に案外敗北が続いているフランスです。この前完全に格下と思われていた日本、続いてベトナムに惨敗しています。暗黒時代の虎のチームより勝率が低いのは内緒です。
「で、気付いたら」
「その時に手に入れたもの全部なくなったんだよな」
「御前が悪い」
 イギリスに責任転嫁です。
「あの時御前がオランダとオーストリアに手を貸すからだろうが」
「御前のあの時の上司がスペインに変な色気出すからだろ」
「・・・・・・あの上司には正直参った」
 凄い女好きでグルメで建築好きでファッショナブルで芝居好きで贅沢三昧の太陽王だったのです。この人は戦争も大好きでフランスもその時はしょっちゅう戦争していたのです。
「おかげであれから暫く俺は財布は空で身体も疲れてよ」
「それで前のオーストリアやスペインに止めをさしたっていう戦争で手に入れたものも消えたわけだよな」
「負けるのは嫌いだ」
 負けっぱなしだからこそ説得力のある言葉だった。
「あとあんな滅茶苦茶な上司も」
「御前のとこの上司も大概な人が多いからな」
「・・・・・・ああ」
 ドイツとは違った意味で中々個性的な上司に恵まれているフランスでした。それで手に入れたものを失うことも多かったのです。ほぼ自業自得ですが。


第百六十六話   完


                          2008・5・8

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