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獣篇V
36 ヘッドハンティングには報酬が付きもの。
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でも使えるみたいだネ。その左目に秘密でもあるのカナ?」


下らない、と思って懐から煙管を取り出したところで、さっきの提督と、狼男が現れた。

_「神威、…」

_「邪魔はするな、と言ったはずだよネ?」

_「フ)邪魔なんざしねェよ。」


はい、神威は包囲されました。
毒矢が刺さっているのにも関わらず、相変わらず元気だ。

_「アリ?」

_「神威。オレたちが殺りに来たのは、テメェだ。」

_「貴様ら夜兎の血は、危険過ぎる。切れすぎる刃は嫌われるのだ。神威よ。」

_「コイツァ、驚いたネ。アホ提督に一本取られるたァ。」

_「バカはテメェの代わりに殺っといてやらァ。だから安心して、死んでいきなァ。」




晋助が刀を振り上げ、辺りに血が飛び散った。それで一時動けなくなった神威の腕が後ろで縛られる。

その結果に満足したらしい提督は、あとで部屋に来るように、とだけ言うと、皆を引き連れその場を去った。

だが、はっきり言おう。神威(かれ)はこんなことで死ぬ訳がない。
皆が立ち去ったのを確認してから、倒れている神威の耳元で囁く。

_「詳しい話は、あとでするわ。だから今は大人しく、気絶した振りをして。」

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