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いたくないっ!
第十三章 神は降臨するのか
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リ笑った。

「どうして、まほのを否定することが、犯人へやり返すことになるんですか? それに、否定って……」
「つまりだな、もともとこの問題は、まほの第二期への不満から始まっているということなんだ。それに対しておれが色々と掲示板に書き込んだことから、肯定賛美しか許さないという思考放棄の信者野郎を怒らせてしまった」
「ということで、つまりは一石二鳥というか、ことのついでというか、原点回帰、ということなのでござるよ。まほの否定は」

 と、トゲリンが補足する。

「そういうことだ。……みんな、あんな未来が舞台の完全SFのまほのなんか嫌だよな。だから今回の事件は、我々が大きく声を上げる、反撃の狼煙を上げるきっかけを作ってくれたものでもあるんだ」

 今回の事件 = ブリーフで屁をこいたこと。
 墓場まで持っていきたい秘密を胸に、定夫はぶんと右腕を振り上げた。そして、叫ぶ。

「取り戻そうぜ! おれたちの『魔法女子ほのか』を!」
「拙者たちのホノタソをっ!」

 トゲリンも、右腕を振り上げた。

「テレビアニメをぶっ壊そう!」

 八王子も続いた。

「そう、世界をすべて破壊するんだ」
「おばあちゃ…いや、はるかがいっていた。破壊なくして創造はない」

 定夫は突き上げている右手の、人差し指をぴっと立てた。

「そのはるかすらも、ぶち壊そう」
「おー!」
「テレビ生まれのキャラでござるからな」
「ちょっとお、やめましょうよおお」

 軍靴の音が聞こえそうな、なんとも物騒な雰囲気になっていく部屋の中で、すっかり涙目の敦子が必死になだめようとしている。

 しかし、そんな彼女を尻目に、
 三人は案を出し合い計画を練っていく。
 ばれたら罪に問われておかしくないような、数々の案を。

 イベント会場に乗り込んで、黄色いヘルメットに拡声器で佐渡川のやりくちを訴えるとか、
 そこでさらに、星プロダクション担当に冷酷非情に突っぱねられた話をするとか、
 週刊誌に裏設定と裏話を売り込むか、
 星プロダクションの下請けに対する黒い噂を聞いたことがあるが、そうした横暴と絡めて訴えるのもいいだろう。

 罪に問われておかしくはないものの、なんともセコイことばかりであった。
 しかし彼らは真剣に話し続ける。

「『真・魔法女子ほのか』の設定を作り上げて、ぶつけるか」
「そうでござるな、オリジナルはこっちなのだから」

 法的所有権は微塵もないわけだが。

「そう。オリジナルはこっち、つまり正義は我らにあり。偽物の、金欲にまみれた作品をぶちこわして、あらたな世界を創造するんだ!」
「おーー!」

 すっかりハイテンション。ドーパミンを分泌しまくる三人であった。

「我ら、生まれた
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