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目からビーム
第三章

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「見える位だから」
「ふうん、そんなに凄いんだ」
「そうさ、私達の目はね」
「だから閉じているかサングラスか」
「どっちかなんだよ」
「そのことがわかったよ」
 今度はバナナを買って食べるシグマルドだった、品揃えはよくしかも新鮮なものばかり売っている。
「お姉さん達も大変なんだね」
「まあ目を閉じていても見えるのはね」
「便利なんだ」
「それで生活には苦労していないよ」
「それはいいことだけれどね」
「まあ他の人達に気を使って暮らしているよ」
「成程ね」
 シグマルドはホビットである自分より背の高い、エルフと同じ位の背丈のエラリーの言葉に頷いた。そうしてだった。
 バナナの次はスウィーティーそして桃も買って食べてだ。意気揚々と帰ろうとしたところでだった。市場が急に騒がしくなった。
「ひったくりだ!」
「捕まえろ!」
 見れば如何にも柄の悪そうな丸坊主で大柄の男が駆けていた、市場の人達はその人間の男を指差して叫んでいた。
「ラハヨキだ!」
「またあいつか!」
「あいつがまたかっぱらいやったぞ!」
「捕まえろ!」
「また牢屋にぶち込め!」
「あれっ、あの人は」
 シグマルドも彼を見て言った。
「確か」
「ああ、またやってるね」 
 エラリーも駆ける男を見てやれやれといった声を出した。
「あいつは」
「うん、この街じゃ結構有名だよね」
「悪い意味でね」
「喧嘩にカツアゲにね」
「かっぱらいも前にやってたよ」
「ゴロツキだよね」
「そうだよ、暫く喧嘩で牢屋にぶち込まれていたけれど」
 それがというのだ。
「出て来て早速だね」
「やてやれだね」
「全く、仕方ないね」
 エラリーはこう言うとだ、自分がかけているサングラスに右手をかけてそうしてだった。そのサングラスを外し。
 目を出した、見ればその目は閉じられていたが。
 すぐに開いた、その目は真っ赤に光っていてだった。
 その目から光が放たれた、そしてだった。
 男の足を焼いてそれで動きを止めた、そこに。
 男を追っていた面々が追いつき彼を囲んでまずは袋叩きにした。
「いい加減にしろこの野郎!」
「悪いことばかりしやがって!」
「天誅だ!」
「殴った後でお役人に突き出せ!」
「今度は厳罰にしろ!」
「街から追放しろ!」
 こう言って銘々で殴り蹴って役所に突き出しに連れて行った、その顛末を見てだった。シグマルドはエラリーに言った。
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