暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
2059話
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「厄介だな」

 俺と同じ結論に達したのか、美鶴の口からそんな言葉が漏れる。
 実際、ニュクスと……そしてデスとしての本性を現した望月との戦いがあるのに、それにタカヤとジン……場合によっては、タカヤの率いているカルト宗教の連中までもが襲ってくる可能性がある。
 影時間だから、そんな心配がない……と言い切れないのが、厄介なんだよな。
 シャドウの母たるニュクスという存在が、どれだけの力を持っているのか。
 それが分からない以上、それこそ場合によってはこの世界の人間全てを影時間に適応させるなんて真似をしても、俺はおかしいとは思わない。

「それに……今更このような事を言うのも何だが、あの2人も桐条の犠牲者なのは間違いない。可能であれば、助けたいと思う」
「……チドリ、か」
「ああ」

 恐らく、最初は武治にもそのようなつもりはなかっただろう。
 だが、タカヤの仲間だったチドリが、S.E.E.Sに所属した事により、もしかしたらタカヤ達もどうにか出来るかもしれないと、そう思ったのだろう。
 もっとも、タカヤの性格を見る限り、恐らく無理だろうとは思うが。

「チドリの件は、偶然が幾つも重なった結果だ。それをもう1度期待するのは無理があるぞ。それに、手を抜いて結局世界が破滅したら、洒落にもならないしな」
「分かっている。勿論、可能であれば……という風にしか考えてはいない。そこまで馬鹿な真似はしないさ」

 そう告げる武治の表情は、嘘を言ってるようには思えない。
 であれば……本当に可能ならという事なのだろう。
 正直なところ、ジンはともかくとしてタカヤはどうしようもないと思うんだがな。
 ともあれ、そんな風に話は終わり……一応タカヤとジンの居場所は探すが、無理はしないという事になるのだった。
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