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雷獣
第五章

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「閃いたよ」
「えっ、まさか脚本のネタが」
「小説のネタがなの」
「どちらも。じゃあ今すぐにお家に帰って」
 もっと言えば電車に乗っているその中でも書きたくなっていた。
「書くよ」
「何かわからないけれどネタが出たのね」
「今の落雷のせいかしら」
「何かわからないけれど」
「そうなったのならよかったわ」
「うん、もう家に帰るまでにでも書くよ」
 その書きたくなっている気持ちを抑えられなくなっていた。
「コンビニで原稿用紙買ってすぐに」
「書くの」
「そうするの」
「うん、今からね」
 こうしてだった、隼一郎は難波を巡らずに即座に近くのコンビニに入ってそこで原稿用紙を買おうと思ったが。
 スマホがあった、そのスマホにウェブ小説を書く様に早速書いていった。そうしつつ家に帰ってであった。
 家で本格的に書いた、そうして学校にいる時間以外は殆ど寝ずに書いて一気にだった。
 文芸部の小説も演劇部の脚本も書いた、まずは佳乃が小説を見て言った。
「凄いわね、立花道雪を書いたの」
「はい、あの戦国武将を書きました」
 まさにとだ、隼一郎は佳乃に答えた。
「雷を切った時のお話を」
「あの人のことは私も知ってるけれど」
「凄いお話ですね」
「ええ、よく書いたわね。それに作品もね」
 彼が書いたその作品の出来の話もした。
「面白いわ。これを会誌に載せたらね」
「好評ですか」
「間違いなくね。じゃあすぐに会誌に入れるわね」
「お願いします」
 こうしてまずは文芸部の方をクリアーした、そして演劇部の方も書いた脚本を杏に出して読んでもらったが。
 杏もだ、唸って言った。
「これならね」
「いいんだ」
「ええ、とてもいいわ」
 こう言うのだった。
「今からお芝居をはじめるわ」
「それじゃあね」
「ええ、本当に書いてくれてよかったわ。ただね」
「ただ?」
「いや、何かね」
「何か?」
「これ確か歌舞伎のよね」
 杏はその脚本について語った。
「鳴神よね」
「そうだよ、それを書いたんだ」
「台詞は今風だけれど」
「そうしたんだよ」
「歌舞伎できたのね」
「うん、そうなんだ」
「雷のお話だし」
 杏子は首を傾げさせつつ隼一郎に言った。
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