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外伝・少年少女の戦極時代
小説版鎧武における掌編
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視覚を、首を、首から下の肉体を想起させ、セイヴァーだったモノに供界という男の形を取り戻させる。

「駆紋戒斗……あなたはどんな夢を見ている?」

 そして最後に取り戻した正気を、供界は一度きりの問答のために使う。
 果たして。戒斗の答えは簡潔だった。

「弱者が踏み躙られない世界を」
「……そうか。ならば、夢見て、見果てて、死ね。争いと憎しみが連鎖する、この苦界(せかい)で」

 言祝ぎ、呪詛し。
 供界は踵を返した。

 これより彼が往くは暗闇の道。されど無明の道のりではない。見えないだけで、遠くには光があると知っている。

 供界は歩き出した。
 産まれたての雛の色をした、鋼の羽毛一枚を片手に。
 三千(すべての)世界を超えたさらに向こう側にある、三千と一つ目の世界を目指して。
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