暁 〜小説投稿サイト〜
外伝・少年少女の戦極時代
デューク&ナックル編
ライダーズ・ロジック A
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 しつこく追ってきたネオ・バロンの男たち二人ほどによって、ザックと城乃内は街中の高架下に追い込まれた。

 男たちが取り出した物を見て、茫然とした。
 ――量産型ドライバーと、マツボックリの錠前。

 何故。この街でドライバーとロックシードを持つのは限られた一握りの人間だけだ。一握りの彼ら以外のドライバーとロックシードは全て呉島貴虎が処分したはずなのに。
 だが現実に、男たちは黒影トルーパーに変身した。

「――残念でした」
「城乃内?」

《 ブドウオーレ 》

 迫る黒影トルーパーたちを、背中から紫の光弾が撃ち抜いた。黒影トルーパーたちは呆気なく倒れて、変身が強制解除された。

「へっへーんだ! こういう状況も織り込み済みだっつーの」
『よく言いますよ。これが分かったのは僕と兄さんの追跡調査のおかげなんですけど』

 今はもう懐かしい、アーマードライダー龍玄の姿がそこにあった。

「ミッチ!」
『久しぶり、ザック。間に合ってよかった』

 変身を解いた呉島光実は、面差しと肩の稜線に精悍さを備えて、会わない間にすっかり男らしくなっていた。

「そうかっ。城乃内が変身しなかったのって」
「俺が黒影に変身したら、ミッチのほうで区別がつかなくなるからな。この場所に逃げたのも、実は俺の巧みな誘導だったのさ」

 得意げにメガネをくいっと持ち上げる城乃内。やれやれ、と肩を竦める光実。
 そこに、さらなる介入者が、高架の柱の陰から現れた。

「おひさしぶりです、ザックさん。おかえりなさい」

 呉島家の末娘であり、光実の妹でもある少女は、ていねいな所作で頭を下げた。
 小学生時代から上品だった少女は、中学生になってその上品さに磨きをかけて成長していた。こんな場面なのに、兄の光実と貴虎は気苦労が絶えまい、などと思いを致してしまったほどだ。

「――ただいま。ヘキサ」
「はい。本当はおかえりなさいパーティーを開いてニューヨークでの暮らしぶりなんかを聞きたいとこですけど、今はそうも言ってられませんね」

 碧沙は持っていたアタッシュケースを開けてザックに差し出した。
 中身は――量産型ドライバーとクルミのロックシード、そして見覚えのないエナジーロックシードだった。

「これは?」
「兄さんたちが行ってた国の、さる“財団”に用意してもらった品です」
「戒斗さんのツテというか、(えん)、かな。それはマロン(クリ)のエナジーロックシード。多分、世界で最後のエナジーロックシードだよ。ザックが使って。性能を見るに、クルミアームズと一番相性がいいんじゃないかって、戒斗さんが」
「戒斗が?」

 ザックは驚きながら、マロンのエナジーロックシードを持ち上げた。

 届けたのが呉島弟妹であ
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