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リング
183部分:ラグナロクの光輝その三十七
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ラグナロクの光輝その三十七

 祭壇には何か得体の知れないピラミッド型の階段があった。その上に石のベッドが置かれている。何処か七人の信じるものとは違った神を思わせるものであった。彼等はそれを見上げていた。
「あれが祭壇だな」
「多分な」
 彼等は互いに言い合う。
「そしてここにニーベルングがいる筈だ」
「だが何処にだ」
「あの男は一体」
「よくぞ来た、アースの戦士達よ」
 ここで祭壇の上から男の声がした。
「むっ」
「遂にここまで来るとはな。見上げたものだ」
 裁断の上に一人の男が姿を現わした。紫の服に赤いマントを身に纏い、緑の金属で飾られた赤い兜を被っている。その顔は細面であり赤く長い髪と鋭い黒の目を持っている。彼こそ七人が今まで捜し求めていたあの男であった。
「クリングゾル=フォン=ニーベルング」
「如何にも」
 男はトリスタンの言葉に答えた。
「私がそのクリングゾルだ。中には私の顔を知っている者もいるとは思う」
「それは私のことか」 
 ローエングリンが彼を見上げてその顔を見据えた。
「ブラバント司令か。元気そうで何よりだ」
「言うな、陛下と叔父上の仇、討たせてもらう」
「ふふふ」
「貴様の為にメーロトが死んだんだ」
 ジークムントも彼を見上げた。
「そのこと、知らないとは言わせねえぞ」
「あの男は。よく動いてくれた」
 クリングゾルはその言葉に冷酷な笑みを以って返した。
「だが。甘い男だった。卿の手で討たれることを望み、そして死んだのだからな。所詮はその程度か」
「手前っ」
 ジークムントはその人を駒の様に扱う言葉に激昂した。だがそこにいるのは彼だけではなかったのだ。
「ではクンドリーも同じなのか」
「ほう、シュトルツィング執政官か」
「そうだ、卿に婚約者を殺されたヴァルターだ」
 ヴァルターはそれを認めたうえで言った。
「卿にとっては。彼女も駒だったのか」
「そうだと言えば?」
 それに対するクリングゾルの返答は予想通りのものであった。
「ニーベルング族は全て私の思うがままにある」
 彼は言う。
「それでどうして駒ではないと言えるのか。聞かせてもらいたいな」
「くっ」
「それが卿の考えなのだな」
 今度はジークフリートが問う。
「自らの血族ですら。駒に過ぎないというのが」
「その通りだ。それ以外の何というのか」
 クリングゾルに悪びれたところはない。平然としていた。
「聞かせてもらいたいものだな」
「その為にヴェーヌスを作ったというのか」
「そうだ、私は子を為すことは出来ぬ」
 クリングゾルはタンホイザーにも答えた。
「だが。造り出すことは出来るのだ。私はな」
「おのれ・・・・・・」
 六人とクリングゾルは今対峙していた。これまでの長い戦い
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