暁 〜小説投稿サイト〜
雲は遠くて
139章 ロックンロールはリアルなラブ&ピース
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
139章 ロックンロールはリアルなラブ&ピース

5月5日の子どもの日。青空のおだやかな南風で、気温も24度ほど。

 午後2時から、信也たちのクラッシュビートのライヴが、下北沢駅西口から歩いて2分の、
ライブ・レストラン・ビートで、開催(かいさい)された。
ゲストには、G ‐ ガールズ(グレイス・ガールズ)も出演して、
1階フロア、2階フロア、280席の満員の会場は、最高に盛り上がった。

 午後5時、ライブが終わって、打ち上げの飲み会が、
≪カフェ・ゆず≫で、店は貸し切りで、始まっている。
≪カフェ・ゆず≫は、ライブ・レストラン・ビートと同じ、世田谷区北沢2丁目にあった。
一軒家ダイニングで、16席のカウンター、4人用の四角いテーブルが6つ、
キャパシティーは40名。
ミニライブもできるステージもあって、YAMAHAのアップライトピアノが黒く光ひかる。
店の前には6台分の駐車場がある。

≪カフェ・ゆず≫の女性のオーナーは、3月14日に25歳になった高田充希(みつき)
人気の女優で歌手でもある、高畑充希たかはたみつきに名前も容姿ようしも似ていると、
下北沢では評判だ。

「しんちゃんの新曲の、『ロックンロールはリアルなラブ&ピース』は最高だよね!」

 生ビールで満面の笑みでいい気分の佐野幸夫(ゆきお)が、
(となり)の席の川口信也にそう言った。
佐野幸夫は、ライブ・レストラン・ビートの店長で、いまも俳優になる夢も胸に秘めている。

「うん、しんちゃん、あの曲、最高のロックンロールですよね!私も大好きです!」

 信也にそう言って微笑む、佐野幸夫の隣に座る真野美果(まのみか)は、
1988年10月10日生れの29歳。佐野と美果の交際も6年になる。

「ありがとうございます。美果ちゃん、幸夫ちゃん。あの曲は、おれも気に入っているです。
映画の『クラッシュビート』のサントラ(挿入歌)を作ることになって、
おれも全力で作ったんですよ。
そうだ、佐野さんと美果ちゃんがそう言ってくれるんで、すごく(うれ)しいから、
あの歌、弾き語りでやっちゃいますよ。聴いてください!あっははは」

 生ビールで上機嫌(じょうきげん)の信也はそう言って、ステージに行くと、
ギターを取って、椅子に(すわ)り、マイクに向かった。

「ええと、みなさん、きょうのライヴは、ホント、最高だったと思います。
いまさっき、佐野さんと美果ちゃんが・・・、
新曲の『ロックンロールはリアルなラブ&ピース』がいいって、褒めてくれたんですよ。
あっははは。
そのお礼ってわけでもないですけど、ここで弾き語りで、あの曲歌っちゃいます。
映画とマンガの、バーチャルの『クラッシュビート』は、
まるでビートルズ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ