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獣篇V
25 怖い人が優しい時は、何か裏がある。
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部とやり取りしていた。

_「零杏様、そちらの具合はどうですか?」

_「そろそろ次郎長か動き出す頃でしょう。こちらは大丈夫です。てる君の方はどうですか?」

_「どうやら、西郷は息子が人質となったことを悟ったようです。」

_「そうですか。分かりました。では、そのまま続けてください。明日にでも彼は解放されるでしょう。」

_「こちら四番隊。そろそろ潜伏に入った方が良いですか?」

_「はい、頼みます。着き次第、その他全部の隊と連絡を密に取ってください。」

_「零杏、突入のタイミングはオレが指揮すらァ。お前はお前のすべきことに専念しとけや。」

_「ありがとうございます、総督。助かります。では皆さん、後のことはとりあえず、頼みます。」

と言って、トランシーバーを切る。そして、スナックお登勢宛てに電話をかけた。もちろん、西郷を装って、である。すると運良くお登勢が出たので、そのまま伝えた。

店内には、マイクを仕掛けたので、会話が聞こえてくる。

_「そうかィ。分かったよォ。…
フン)心配いらないよ。銀時からだぁ。どうやら平子も無事だし、次郎長一家と衝突寸前で、例の知らせが向こうに入ったらしくて。お互い、話し合いで手ェ引いたらしいよォ。」

_「よかったぁー。もう手遅れかと思いましたよぉ。」

_「心配させやがって。どこで何やってたアルか?アイツら。」

_「アンタらもご苦労だったねェ。昨日からずっと飯食べてないだろォ?」

_「そういやぁ、そんな話 したら急にお腹が…」

_「どこに食べに行く?」

_「いいアルかぁ!?」

_「焼キ肉!断固焼キ肉デス。高イトコロ!」

_「アホがッ!それじゃよく食べられないネッ!食べ放題ッ!ソフトクリーム食べれるところッ!」

_「二人とも、喧嘩は止めてください。ここは折衷案でガソリンスタンドにしましょう。」

_「どこが折衷案ッ!?」

_「先に行っといてくれェ。アタシも銀時と平子が来たら行くからァ。」

_「早く来てくださいね?来るまで食べずに待ってますから。」

_「ソフトクリームはいいヨネ!?ソフトクリームは先食べていいヨネ?」

_「ライスは?ライス。」

万事屋の子供たちと、スナックの従業員が去るのを確認し、お登勢を追跡する。ある程度の距離を保つため、お登勢が店を出たのを確認してからマイクを取り外し、後をつけた。

予想通り、墓場に来たようだ。
また、次郎長(かれ)もちゃんと来たらしい。墓の影からそっと伺う。

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