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リング
18部分:ファフナーの炎その十七
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ファフナーの炎その十七

「司令」
「これで終わりだ。光が消えた時には奴はもういない」
「まさか」
「いや、そのまさかだ」
 レーダーを見ている部下の一人がそれに応えた。
「エネルギー反応が急激に消えていっている。このままだと」
「まさか」
「いや、ファフナーは消えようとしている。これは間違いない」
「これがミョッルニルの威力というわけか」
 ヴァルターはそれを聞きながら冷静に呟いた。
「ファフナーからの反撃は」
「ありません」
「ではそのまま消えようとしているのだな」
「はい。最早そのエネルギー反応は微力です。間も無く消えようとしております」
「音もなく、か。呆気無いものだな」
「はあ」
「バイロイト、そしてニュルンベルクを破壊した竜にしては。いや、これはファフナーのうちの一つでしかないのかも知れないな」
「一つだけとは」
「神々が争いを続ける巨人達は知っているな」
「はあ」
 部下達はヴァルターの言葉に頷いた。彼等の神話にある古い話である。
 神々と巨人族の激しい戦い。巨人達は何度負けても次の戦士を繰り出し神々と戦いを繰り返す。季節の移ろい等を表していると言われているこの戦いにおいて巨人達は決して諦めはしないのだ。。ヴァルターはそれについて言及してきたのである。
「それと同じことだ。あのファフナーもまた」
「復活すると」
「どうもそういう気がする。兵器ならば特にな」
「あれが兵器なのですか」
「おそらく人工有機体か何かだと思う」
 ヴァルターはここで自説を述べた。
「自分の意思も持っている兵器だ。クリングゾル=フォン=ニーベルングは何処かにあのファフナーを製造出来る惑星を持っているのだ」
「それが何処か、ですね」
「このノルン銀河の何処かにあると思うがな。問題はそれが何処かだ」
「宙図にも載っていないようですね」
「今の我々の勢力圏にはない。それを見つけ出すのも今後の課題だな」
「そうですね。ところでファフナーですが」
「うむ」
「エネルギー反応が消えました。完全に消滅しました」
「よし」
 ヴァルターはそれを聞いて会心の笑みを浮かべながら頷いた。
「これでニュルンベルクの仇は取ったな」
「はい」
 部下達もそれに頷く。
「エヴァ、見ていてくれたか」
 そしてその時になくした婚約者の名を口にした。
「ファフナーは今滅んだぞ」
「後はグレイプの艦隊だけですが」
「ファフナーを倒した今手の平を反す様なものだ」
 ヴァルターは素っ気なく述べた。
「すぐに攻撃に取り掛かるぞ。いいな」
「ハッ」
「四個艦隊で包囲殲滅を仕掛ける。それで終わりだ」
「終わりですか」
「どのみちファフナーに頼っていたのだろう。大した戦力でもない」
「確かに」
 見ればその通
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