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175部分:ラグナロクの光輝その二十九

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ラグナロクの光輝その二十九

「何という威力」
「ジュッセルドルフの時と同じく」
「ですね」
 それはパルジファルも確認していた。
「あの戦闘機の攻撃力は尋常なものではありません。それに」
 帝国軍から攻撃が浴びせられる。だがそれを信じられない程の機動力と運動性でかわす。
「素早さも。普通の兵器ではありません」
「あれは何処の技術でしょうか」
「我々の技術ではないようですが」
「それもすぐにわかるでしょう」
「では」
「はい」
 彼の意は決していた。他の六人も。
「彼女達に協力します。攻撃開始」
「攻撃開始」
「このまま敵の正面を叩きます。いいですね」
「了解」
 ワルキューレだけでなく連合軍も攻撃に加わった。九人の戦乙女達だけでなく七人の攻撃も受けた帝国軍には為す術もなくスルトを守りきれずに壊滅した。殆どの艦艇はスルトを最後まで守ろうと戦い抜き沈められた。残った僅かな艦艇だけが何処かへと逃げ去ってしまった。戦いが終わった時には戦場にいるのは連合軍とワルキューレ達だけであった。
「お待ちしておりました」
 ワルトラウテがパルジファルのモニターに姿を現わした。
「きっと来て下さると思っていましたわ」
「これはどうも」
「七人の戦士達よ」
 九人のワルキューレ全員が出た。パルジファルだけでなく他の六人のモニターにも姿を現わしていた。七人はそれに合せて互いの顔もモニターに現わした。七人の戦士と九人の乙女はこうしてモニターで向かい合うのであった。
「まずはよくここまで来られました」
「このムスッペルスヘイムでの戦い御疲れ様でした」
「ここまで来たのも。運命だというのですね」
「はい」
 ワルトラウテが答える。
「そしてこれからのことも」
「これからのこと」
「私達はこれからスルトへ降り立ちます」
「貴方達もまた」
「ニーベルングと会う為に」
「そう、ニーベルングと会う為に」
 今度はブリュンヒルテが言った。九人のワルキューレ達のリーダーであるようだ。
「参りましょう、スルトへ」
「宜しいですね」
「それが。運命であるというのなら」
 パルジファルも六人の戦士達もそれに従うことにした。
「参りましょう」
「いざ」
「はい」
 スルトでの戦いに勝利した連合軍とワルキューレはそのまま降下作戦に入った。惑星からの迎撃はピンポイント攻撃により沈黙させ、その上で降下した。七人が直接率いる部隊の他にワルキューレ達もいた。
「直接御会いするのははじめてですね」
「はい」
 七人とワルキューレ達は降り立ったスルトの港において面会の場を持った。それぞれを代表してパルジファルとブリュンヒルテが前に出て握手をした。

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