暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「冬寂月」
四十

[8]前話 [2]次話



 小夜更けて

  憂きし心は

    友となり

 独りかたぶく

   月を見しかな



 夜が更けるほどに…ただ寂しさが増すだけの日々…憂う心だけが友であるかのようだ…。

 あれこれと考えても詮ないことだが、もし愛しい人と在れたならと…そんな愚かしいことを考えてはため息をつく…。


 空の月は傾き…短い夜の終わりが近づく…。



 徒然に

  物そ思へば

   明けにける

 短き春の

    夜に夢もなく



 やっと春になったかと思えば、瞬く間に過ぎ去ってゆく…。

 夜さえも足早に過ぎ…少し昔を振り返っている間に朝になってしまう…。

 恋しい人に夢でさえ会えないのに…もはや想うことさえ儘ならないようだ…。




[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ