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149部分:ラグナロクの光輝その三

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ラグナロクの光輝その三

「ヴァルハラに旅立ったか」
「自らの因果から解き放たれて」
「だが我等の因果はまだだ」
 トリスタンが言った。
「その因果が何かすらもわからない」
「そうだな」
 ヴァルターがそれに頷いた。
「だがそれを解く為に今我々はここに来た」
「ライプチヒに」
「そしてヴァルハラへ向かう」
「全ては。因果を解き放ち」
「ニーベルングを倒す為に」
 彼等はここに来たのであった。そして港に降り立った。そこにはパルジファルが立っていた。
「ようこそ」
 彼は後ろに部下達を従えてそこに立っていた。見ればその軍は六人が知るどの軍の軍服も着てはいなかった。ヴァルターの軍は青、タンホイザーの軍は緑、ローエングリンの軍は白、ジークムントの軍は赤、トリスタンの軍は黄、ジークフリートの軍は紫とそれぞれ色が分かれていた。パルジファルの軍は黒であったのだ。
「漆黒の軍か」
「はい」
 パルジファルは六人の言葉に応えた。
「これが。私の軍です」
「その規模は」
「五個艦隊」
 彼はまた答えた。
「貴方達のそれと同じ規模になります」
「そうか、五個か」
 ローエングリンがそれを聞いて呟いた。
「合わせて三十五個艦隊」
「そうおいそれとは集められねえ戦力だぜ」
「左様です。ですが」
「ですか!?」
 ジークムントは彼の言葉に顔を向けた。
「帝国軍の戦力は。今だ不明です」
「帝国軍は方面軍におよそ十個艦隊を向けてきていた」
「どうやらそのようですね」
 今度はヴァルターに応えた。
「ですがそれは彼等にとって些細な戦力かと」
「主力ではないのか」
「おそらくは」
「チューリンゲンを襲ったあの敵艦隊も」
「おそらくはな」
 ジークフリートがタンホイザーにそう述べた。
「それでだ」
 今度はトリスタンがパルジファルに声をかけてきた。
「何でしょうか」
「我等はここに来た」
「はい」
「その目的はわかってくれていると思うが」
「ヴァルハラへ」
「そう、ヴァルハラだ」
 六人が一斉にパルジファルに顔を向けた。そして問う。
「卿に聞きたい」
 六人はそれぞれの口でパルジファルに問うてきた。
「ヴァルハラは。何処だ」
「是非。教えてくれ」
「そのことでお話したいことがあります」
 パルジファルはそれに応えてこう述べた。
「私は。その為にこちらまでお迎えにあがりました」
「そうだったのか」
「はい。ではこちらへ」
 そしてある場所へ案内する。
「ゆっくりとお話しましょう」
「わかった」
「では行くとするか」
 こうして七人はある部屋に集まった。そこは漆黒の玄室であった。

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