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いたくないっ!
第九章 伝説のはじまり
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て上からなぞってみたりするなど、相当な苦労を要したところであるので」

 最初は、撮影した背景用写真を取り込んで、手書き風のエフェクトをかけてみたのだが、合わせてみるとどうにもキャラクターの絵柄になじまず、最終的にはすべてトゲリンが自らの手で描いたのだ。「下手だが味がある」といったいわゆるヘタウマ風にすることにより、なんとかごまかして。

「声なら、あたしの知り合いが何人か紹介できるかもです」

 敦子にアニメファン仲間はいないが、以前に短期ボイトレなどを受けた際に知り合った、声優を目指している女子とメールアドレスを交換してあり、いつでも連絡は取れるとのことだ。
「キャストの変更はしたくないから、新キャラ次第ではお願いするかも知れない」
「続編、と簡単にいってもさあ、同じような内容のをダラダラやるだけじゃ、なんだよね」
「そうでござるな。いくら昔のテレビアニメを目指したからといっても、昔のように四クールも見させらては飽きるでありござるからなあ」

 トゲリン、語尾が奇妙になってしまったのをごまかすように、はははとニチョニチョ声で笑った。

「そこは別に、現代っぽく一クールものでいいんじゃないか? 五十話作るなんて、どのみち無理だし。今回作ったのを第三話くらいとして、前と後ろを考えよう」
「どうせなら、ショッキングな展開がいいなあ。観る人を驚かせたいし」
「ほのかの正体は異世界古代のロボットだった、とかでござるか? 自分も親も、その事実を知らずに普通の人間と思って生きてきた」

 トゲリンが、八王子の案に食いついた。

「でもお、体内に機械の部品があれば、気づくと思いますよ」

 敦子がささやかなツッコミを入れる。

「しからばそこは、空間元○固定装置のパターンで。まあとにかく、そういうのは設定でいくらでもごまかせるでござるよ」
「そんなもんですか。人類こそが実は侵略者だったあ! とかそんな感じですかね。ありがちですけど」
「ありがちでいいんだよ。で、衝撃の事実を知ったほのかは、仲間に反旗を翻し、血みどろの戦いの上、最後は共倒れで消滅、とか」

 八王子。自分の発言した、ショッキングという言葉に、どんどんイメージを膨らませているようである。

「いやいや、さすがに悲しすぎるだろ! 却下却下」
「でも素人が無難にインパクトを狙うには、最低これくらいやらなきゃあ」
「ならば、少しそのテイストを残しつつも、根本からしっかり練り直そう。といっても既存作品の修正はもう無理だから、矛盾なく詰め込めた設定を膨らませる感じで」
「背景設定を熟考するより前に、残りメンバーの変身のモチーフ。水と風と地、誰が誰でというところを考えようではござらぬか? ここが適当なままであったから」
「適当過ぎて、色々やっちゃったとこ
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