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朱の盆
第三章
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麗な耳なのに膨らんだりしても」
「だからそっちは気をつけてるし」
「お顔が怪我したら」
「それも言うの?」
「とにかく心配が尽きないのよ」 
 母としてはというのだ。「だから言うのよ」
「お母さん心配性ね」
「それはね」
「それは?」
「怪我のことがあるから」 
 またこう言うのだった、奈緒に対して。
「だからよ」
「どうしてもなのね」
「心配でね」
「やれやれね。けれどどんな格闘技もスポーツもでしょ」
「怪我はあるっていうの」
「だからね」
 それでというのだ。
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