暁 〜小説投稿サイト〜
麗しのヴァンパイア
第二十八話

[8]前話 [2]次話
第二十八話  使い魔達に言うこと
 カーミラは自身の屋敷でくつろぎつつ使い魔である蝙蝠や犬、猫、そういった一見すると普通の生きもの達から神戸の街のことを聞いていた。
 そしてだ、その輪を聞いて言った。
「そう、面白いわね」
「はい、この街はかなりです」
「面白い街です」
 使い魔達も主に話す。
「様々なものと人に満ちていて」
「実に興味深い街です」
「そうね、ではこれからの日々は」
 カーミラは豪奢な椅子に座り赤いワインを優雅に飲みつつ述べた。
「楽しめそうね」
「見て回ってでもですね」
「そうしても」
「そう、奇麗な娘達も多いわね」
 カーミラの目が妖しく光った、紅の目がそうして光りそのうえでさらに話した。
「この街には」
「かなり」
「日本は他の国以上に美少女が多いですが」
「神戸は特にです」
「多いですね」
「噂通りね。ではそちらも楽しむわ」
 こう言ってだ、カーミラはワインを一口飲んだ。そうして使い魔達に対してこうしたことも言った。
「血もいいけれどワインもいいわね」
「そちらもですか」
「美味しいですか」
「ええ、甲州ワインというけれど」
 日本のワイン、このワインがというのだ。
「非常に美味しいわ、だからね」
「今も飲まれていますか」
「そうされていますか」
「チーズもいいわ」
 見れば肴はチーズだがそのワインもというのだ。
「美味しいわ、欧州のものよりも美味しい位よ」
「そこまで美味しいですか」
「日本のワインやチーズは」
「繊細で自己主張をあまりしない味だけれど」
 カーミラの味わう限りではそうなのだ。
「いい味よ、こちらも楽しめるわ」
「ではお料理もですね」
「楽しまれていきますね」
「生活の全てをね。では夕食にするわ」
 ボトルを一杯飲んでから席を立った、そうしてだった。
 カーミラは贅沢な夕食も楽しんだ、亜美達とは違い彼女の夜は長く時間に追われてもいなかった。
 それでだ、夕食の後で使い魔達に告げた。
「では一人でね」
「神戸に街に出られ」
「散策を楽しまれる」
「そうされるのですね」
「そうさせてもらうわ、朝までね」
 一人で歩いてと言ってだ、そしてだった。
 カーミラは一人優雅に屋敷を出て夜の神戸の街での散策をはじめた、それは彼女にとって楽しみになろうとしていた。


第二十八話   完


                    2018・3・4
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ