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蒼穹のカンヘル
十枚目
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「じゃぁ……篝は天使なの?」

そう……だよな…そうなるよな…まぁ、でもこれは今考える事じゃないな。

「安心しろヴァーリ、俺は俺だ。
例え俺が天使だったとしても俺は姫島篝だ。
どうせ生まれた時から堕天使だ、一文字しか違わねーよ」

「そうだよね、篝は篝だもんね!」

「そういう事だ」

少しアザゼルに相談しないとな…

前にアザゼルと話あった事がある。

この神器の力の源になっている龍の存在を。

一応の仮説として挙げられたのは『天使を喰らった龍』の存在だ。

つまり天使を喰らいその力を奪った龍がおり、その龍が封印されている、もしくはその龍の一部を使って創られているのではないか?という仮説だ。

だが、さっきの夢が真実ならば…

「篝、朝御飯食べよう」

「ああ、先に行っててくれ」

「わかったー」

「髪直せよ」

「篝もねー」

そんな中身のない受け答えをしながら考える。

いろいろと考えたが全くわからない事がある。

カンヘルを発現した当初から考えてもわからない事でもある、それは…

「コイツの使い方……」

そう、俺はコイツの使い方を全く知らない。

どんな力があり、どのように使うか。

この錫杖を発現させて二年、父さんに杖術を習ったりした。

ヴァーリが来て一年以上経つ。

ヴァーリの歓迎会の翌日から飛ぶ練習を始めた、それも龍の翼で。

なのにこの杖の、カンヘルの使い方は全くわからない。

父さんが言うには聖剣と同じく触れれば悪魔を消滅させられるらしい。

だからヴァーリの近くでは出来るだけ召喚しないようにしていた。

ヴァーリって急に抱きついて来るし。

でも、それだけじゃない筈だ。

アザゼルも『これだけのオーラを持つ神器に能力がない筈が無い』と言っていた。

ここで言う能力とはスターリングライトやソードバースのような神器自体に形の無い神器の力ではなくトゥワイスクリティカルの倍化のような形ある神器の力だ。

シャラララン…

「そろそろ行くか」

と、立とうとした瞬間…

『【ロスト】』

目の前が真っ暗になってぐるんと回る感じがして…

「あらぁ!?」

ドスン!ガシャン!ゴッ!

「イテェ!」

「篝!?」

とヴァーリの声が聞こえたような気がしたが俺は意識を失った。










「うぅ〜ん」

「あ!篝!大丈夫!?」

んあ?

「っ、ヴァーリ?」

「お姉ちゃーん!篝起きたよー!」

あ…れ、俺何してたっけ?

「ヴァーリ…俺って何しててこうなった?」

取り敢えず聞いてみた。

「篝より先に居間に行っ
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