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信じてはいけない
第三章

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「ネットでも古本屋でもあるからな」
「そうしたところで読めばいいのね」
「昔の予言をな。それ観たら全部と言っていい位外れてるさ」
「そういうものなの」
「どうしても気になるなら伊代が自分で調べるんだ」
 父は娘にくつろいだ顔で話した。
「わかったな」
「ええ、そうしてみるわ」
 伊予は父の言葉に頷き実際に姉と一緒に使っているパソコンで昔の予言をチェックしてみた、すると父の言った通りで。
 もう予言を信じることはなくなった、信じるだけ心が不安になると思ってだ。それでもう信じなかった。
 だがそれでもだ、伊代は関西で大人気のあるスポーツ新聞の記事をコンビニに入った時にちらりと見g手学校のクラスで友人達に言った。
「今年の阪神の若手凄いらしいわね」
「えっ、本当!?」
「そんなに凄いの?」
「投打にかなりの人が成長してきていてね」
 その新聞の一面のちらりと見た記事を見て言うのだった。
「今年はその若手の力で日本一も出来るそうよ」
「それはいいわね」
「今年はかなり期待出来るわね」
「優勝ね」
「日本一ね」
「出来そうよ、阪神今年はね」
 まさにというのだ。
「日本一になれそうよ」
「楽しみね」
「去年も一昨年も残念だったけれど」
「今年は兄貴監督胴上げね」
「それが出来るのね」
「ええ、ペナントははじまったばかりでもファームはそうらしいから」
 多くの若手が絶好調だというのだ。
「その人達が一軍に上がったら」
「もう一気にね」
「連勝街道驀進で」
「巨人だろうが何だろうが蹴散らして」
「日本一ね」
「そうなるわ、本当に楽しみよ」
 笑顔で言う伊代だった、予言は信じなくなったがこうした話はあっさりと信じていた。だがそれは彼女の友人達も同じなので特に問題になることはなかった。別に信じて悪い話でもなかったこともあって。


信じてはいけない   完


               2018・4・22
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