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翠碧色の虹
第二十四幕:のんびりさんの虹
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民宿風水で何度目かになる朝・・・聞き慣れた声に目が覚めてくる。

七夏「・・さん! これ!」
直弥「ああ。すまない。ありがとう、七夏」
七夏「くすっ☆」
直弥「よし! いよいよ明日だな!」
凪咲「そうね!」
直弥「そういえば、お客さん・・・時崎君は・・・」
七夏「えっと、柚樹さんは昨日、夜更かしさんだったみたい・・・」
直弥「そうか」
七夏「くすっ☆ 私から、お話しておきますので☆」
直弥「すまない、よろしく頼むよ」
凪咲「あなた、お気をつけて!」
七夏「お父さん! いってらっしゃいです☆」
凪咲「七夏、そろそろ柚樹君も起きてるかしら?」
七夏「私、おはようです☆ してきます♪」

何か会話が聞こえるが、その内容までは分からない。けど、トットットッという音が大きくなってくるのは分かった。次いでトントンと扉が鳴る。

時崎「七夏ちゃん! おはよう!」
七夏「え!? 柚樹さん?」

俺は、七夏ちゃんから呼ばれるよりも先に声を掛けて、扉を開けた。

時崎「おはよう! 七夏ちゃん、さっきも言ったけど」
七夏「くすっ☆ おはようございます☆」

昨夜も同じような事があったが、寝巻き姿だった七夏ちゃんは、見慣れた風水の浴衣姿になっている。

時崎「なんか、安心する」
七夏「え!?」
時崎「七夏ちゃんの浴衣姿」
七夏「あっ! えっと、ありがとです☆」
時崎「わざわざ、起こしに来てくれてありがとう!」
七夏「はい☆ 朝食、出来てます☆」
時崎「わかった、顔を洗ってくるよ」
七夏「はい☆」

七夏ちゃんと、朝食を頂く。俺が来るのを待ってくれていたと思うと、嬉しい反面、もっとしっかりとしなければと思うけど、七夏ちゃんが起こしに来てくれるのは嬉しいから、複雑な気分だ。

七夏「? 柚樹さん? どうかしましたか?」
時崎「え!? あ、いや・・・」
七夏「おかわりありますので♪」
時崎「ありがとう」
七夏「はい☆」

昨日とは違って、俺が知っている「いつもの七夏ちゃん」だ。のんびりとしている七夏ちゃんに合わせて、俺もゆっくりと朝食を楽しんだ。

時崎「ごちそうさまでした」
七夏「ごちそうさまです☆ 柚樹さん、後で少しお話があるのですけど・・・」
時崎「お話?」
七夏「えっと、明日の事で」
時崎「ああ、蒸気機関車のイベントかな?」
七夏「はい☆」
時崎「俺も、昨日話したけど、アルバムの件でいいかな?」
七夏「はい☆ では、後で柚樹さんのお部屋に伺いますね☆」
時崎「ああ。よろしく」

お片づけを始めた七夏ちゃん・・・俺も手伝うと申し出たが「いつもの事ですので☆」と言われてしまった。俺が手伝うとかえって邪魔になりかねないと思ったので、部屋に戻る
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