暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
85部分:第十二話 制服その十一

[8]前話 [2]次話

第十二話 制服その十一

「ちっちもでしょ」
「ええ。それにそれが終わったら」
 もう学生の定番です。
「中間テスト」
「ああ、聞きたくないわ」
 それにはすぐにこう言い返されました。
「その言葉だけは聞きたくはないわ」
「何よ、その凄い反応」
「だってそうじゃない」
 私にとっては何を今更って感じでした。
「テストがない学校なんてないわよ」
「辛子のついてないフランクフルトはあるのね」
「いえ、それもあまりないわよ」
 それにケチャップは絶対にありますよね。やっぱりフランクフルトにはケチャップがないと私的には嫌です。フランクフルト好きだから言いますけれど。
「とにかく。テストよ」
「わかってるわよ」
 彼女も遂に観念してきました。
「わかってるけれどね」
「それでも嫌なのね」
「そういうこと」
 まあ普通は好きな人もいないでしょうけれど。寮って勉強するのも結構大変ですから。
「とにかく勉強はしてるの?」
「一応はね」
 心もとない返事が返ってきました。
「してるけれど」
「勉強に慣れないとか?」
「寮での勉強って結構大変じゃない」
 彼女も私と同じことを言います。
「それで。色々と」
「困ってるのね」
「どうしようかって思ってるのよ」
 話が真剣なものになってきました。
「実際のところ。このままじゃ勉強も思うように進まないし」
「図書館でしたら?」
 私は彼女にこう提案してみました。
「図書館で?」
「そうよ。あそこでしたらどうかしら」
 また言います。
「結構いいわよ」
「図書館ねえ」
 彼女は私の話を聞いて考える顔を見せてきました。
「それっていいかも」
「そうでしょう?じゃあお休み終わったらすぐに行きましょう」
 話が纏まってきました。
「私は今すぐでもいいけれど」
「いえ、それはいいわ」
 けれどそれははっきりと断ってきたのでした。
「それはね」
「そんなに早くから勉強するつもりはないのね」
「とりあえず最低限の点が取れればいいんだから」
 それが彼女の考えでした。
「今のところはね」
「大学とかは考えていないの?」
「ううん、今のところは」
 どうやらそうらしいです。
「あまり。考えていないけれど」
「そうなの」
「それよりはね」
 そして私に言うのでした。

[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ