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ドリトル先生と和歌山の海と山
第三幕その五
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「徳川吉宗という人は」
「色々な政治をして名君を言われているけれどね」
「お砂糖とお菓子の発展にもだね」
「貢献しているんだ、薩摩芋だってね」
「あれは痩せた時でも栽培出来るからね」
「しかも沢山採れるからね」
「日本人のお腹も満たしたね」
 このこともわかった王子でした。
「吉宗さんはそうした意味でも名君だね」
「僕もそう思うよ、日本人のお腹を膨らませお砂糖も広めた」
「甘いものに縁がある人だったんだね」
「そうした名君だったと思うと面白いね」
「そうだね、ただ和歌山っていうと」
 笑ってこうも言った王子でした。
「蜜柑と梅干だね」
「蜜柑は甘いけれどね」
「梅干しは酸っぱいからね」
 それでというのです。
「そこは違うね」
「そうかもね、けれどね」
 それでもと言う先生でした。
「梅干しからもお菓子は作るね」
「言われてみれば」 
「そう思うとやっぱり甘いものに縁がある人かな」
「背のこと以上に意外な一面だよ」
「言われてみればそうだね」
 トミーは王子のその指摘に気付いて頷きました。
「暴れん坊将軍は甘いものに縁があるなんて」
「そうだよね」
「梅といい蜜柑といいね」
「お砂糖といい薩摩芋といい」
「あと米将軍って言われたけれど」
「お米からもお菓子は出来るし」
 それでというのです。
「相当に甘いものと縁があるね」
「不思議な位にね」
「僕も思うよ、吉宗さんは甘いものに凄く縁がある人だったんだよ」 
 和歌山が生んだこの将軍様はというのです。
「だから暴れん坊将軍というよりはね」
「甘党将軍?」
「そうなるかな」
「そう言われるとコミカルですね」
「どうにも」
「そうだね、何かこうしてね」
 今の先生みたいにというのです。
「甘いものを食べて楽しんでいてもね」
「不思議じゃないですね」
「実際にそうしていたのかな」
「将軍様も茶道を嗜んでいたと思いますし」
「茶道にはお菓子が欠かせないし」
「そうかもね、お菓子はね」
 先生は今はお抹茶を飲みつつ思うのでした。
「食べるとね」
「お茶が欲しくなりますね」
「一緒に飲みたくなるね」
「お茶を飲んでもですが」
「もう完全にセットになっているよ」
「僕もそう思うよ、本当にね」
 お抹茶の独特の苦くそのうえですっきりとする味を楽しみつつ言う先生でした。
「茶を飲んでるとね」
「やっぱりですね」
「お菓子が欲しくなるから」
「吉宗さんもお菓子を楽しんでいた」
「そうだったんですね」
「そうだったと思うしね」
 それにとお話する先生でした。
「甘いものとはとかく縁がある人だったんだよ」
「それで和菓子まで僕達に残してくれたなんて」
 今はきんつばを食べつつ思う先生でした。
「偉
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