暁 〜小説投稿サイト〜
武装神姫 〜心と心の最前線(Front Line)〜
第一章 『ユウナ』
第4話 感覚
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自宅にて・・・


 メンテナンスの間の彼女はとてもおとなしい。時々それを利用して説教を中断させてしまうこともある。恥ずかしいがゆえにおとなしくなるのだが、今日の彼女は違った。私が悲しい顔をしながらメンテナンスをしていたからである。

 「マスター。私のことを大切にしてくれるのは本当に嬉しいです。ですが心配しすぎですよ。見てください!マスターのおかげで傷も元通りです!」

 気を使わせてしまったようだ。少しだけ微笑み返す。神姫バトルの間は武器の出力は抑えられており(まあ普段はエネルギー源がなくなっているため動きもしないが)、更には機体の表面にエネルギー波を貼ることで大きな事故につながらないように守られている。つまるところ、戦いのどういった面にエネルギーを使用するかの違いであり、最低限の施しはされているが戦い方によったら傷もつくということだ。モノを大切にする主義だが、モノかどうか以前に結奈のことをもっと大切にしていきたいと思うようになっていた。

 「それでですね、マスター。 先程言った今後のことなのですが・・・。」

 しまった、もうそんな時間か。今日はどう頑張っても回避できなさそうだ。自分自身としてはしんみりした気持ちになっておりあまり説教を聞けるほどゆとりはないのだが。

 「思い切って戦い方を変えてみませんか!ズバリですね、今までスピードを重視していたのに対して、守りを重視していくようにしてみましょう!」

 自分には防ぎきる自信がない、相手の手数が多くなればなるほど技術は求められてくる。また結奈を傷つけてしまわないか不安になってしまう。

 「やはり・・・。マスターは気づかれていないようですね。今日のバトルでも公園のできごとであっても、マスターは防御というか回避というか・・・。とにかくそういう事に関しては中々な技術を持っていると思いますよ?」

 そんなはずはない。実際に今日は止めに一撃をもらったわけだし、ボールも自分に当たっていなかっただけだろう。

 「往生際が悪いですね。ほら!マスター、見てください。私のシールド、そんなに傷ついてないように見えませんか?」

 確かに、目立つ傷は無く、よく見てみると2〜3本ほど線が入っているように見えるだけだった。だが、そこまで上手く受け流したのは実は結奈がやったからではないだろうか。

 「うっ・・・。ですから今日のはすみませんでした。でも私が動いたのはレールアクション中にしてしまった回避だけであり、本当にマスターに任せていたのですよ!」

 まさか、自分にそんな特技があったとは思いもしなかった。だが本当に記憶がないところを考えてみれば、無意識中に出来ていたという説が最も有力だろう。

 「根本的な事を言ってしまうと実は私はそこまでスピードに自信が
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