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2章 生き様
15話 単独行動其の二〜リア編〜
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「はぁ…はぁ…」

 
 リアは右手にある愛剣、ジェノサイド・テンペストを杖代わりにして、かろうじて立っている状態だった。






 ツカサと別れてものの10分ほど。モンスターとの戦闘はまだ一度もないのに、リアの息は、まるで100m走を全力疾走したかのようだ。


 やがて、その足の力もなくなり、手からテンペストが鈍い音を立てて床に転がって、リアも床にへたり込んでしまう。荒い呼吸を繰り返しながら、リアは思わず苦笑して漏らした。


「たった10分でこんなだなんて、あれから少しも成長してないな…」




 あれから。自分はいったい何をしてきただろうか。道を踏み間違えた“憧れの人”でもあり、ほぼ“兄”のような人に歯も立たなかった。自分の弱さを痛いほど実感した。


 だから、こうして荒療治をしているわけだが…まったくと言っていいほど何も変わっていない。




 とにかく、ツカサが隣にいないというこの状況が、怖くて怖くてしょうがなかった。胸の奥からせりあがってくるような恐怖で息がうまく吸えず、膝が笑うように震える。身体は冷水を浴びせられたかのように冷え切っていた。








『はぁ、はぁ、はぁ……』
『haha?なんだそのザマは?ツカサと離れただけで戦えないとは、笑わせるぜ、baby』
『っ…兄さん、いい加減人殺しだなんてやめてください…!』
『床に這いつくばってるお前に言われたくねぇな、オイ』
『兄さん…!昔のあなたは、そんな人じゃなかった…!』
『aw…笑わせんじゃねぇ。…次に会った時は殺すぞ…』


 下から、フードの中から光るあの2つの目は、恐らく一生忘れないだろう。





 まるで機械のような、冷酷な金属的な冷たい光は…。







「っ!」

 おりかけていた瞼が、一気に開く。あの人を止められるのは、自分しかいない。あの人を止めるためだったら、何だってする。例え、どんなに辛かろうが、自分とツカサに、希望を与えてくれた人だから…


 
 さっきまでの呼吸が徐々に整い、リアは壁に手をついて、多少よろけながらも立ち上がった。自分に残された道はこれしかないのだから…








 ツカサと別れてから、ただの一度もモンスターは出てこなかった。割合、ここのダンジョンはポップ率が高かったはずだ。30分も歩いているのに、こんなことはあるのだろうか。なんとなく嫌な予感がしつつも、リアは歩みを止めない脚に視線を向けた。何とか気力で持ちこたえてはいるものの、若干膝が笑っている。こんな状態のため、今はなるべく戦闘は避けたい。ゆえに、この状況は好都合だった。



 心の底で、この道がボス部屋で
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