暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
47部分:第八話 はじまってからその三
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
?」
「あっ、いいわ」
 それは断りました。
「もうわかったから」
「そうなの。それじゃあ」
「ええ。それにしてもうちの学校ってやっぱり阪神派なのね」
「だから。関西よ」
 それが第一の理由でした。
「阪神で当たり前じゃない」
「やっぱり」
「天理教自体教会が大阪とか奈良に多いし」
 奈良はやっぱりおぢばがありますから信者さんも教会も多いんです。そして大阪はおぢばの玄関口なので。人口も多いこともあって天理教の教会の十分の一があるそうです。
「そうなるわね」
「そうよねえ。けれど阪神かあ」
「ちっちだってファンじゃない」
「それはそうだけれど」
 さっきからお話している通りです。それは否定しません。
「何かなあ、って思って」
「何かなあって?」
「あまり神戸にいた時と感覚が変わらないのよ」
 少し慣れてきたせいでしょうか。寮での生活も学校でも不思議とお家にいるのと変わらない感じに思えてきました。実家が教会なのでそのせいかも知れませんけれど。
「何でかしら」
「阪神だけじゃなくて?」
「そうなの」
 私はこう答えました。
「不思議よね」
「それはちっちが教会の娘さんだからでしょ」
 そうしたらこう返事が返ってきました。私が考えていたことと同じです。
「そうなるのかしら、やっぱり」
「そうなるわ。ほら、おみちはここに入ってはじめての人だっているじゃない」
「ええ」
 そうしたクラスメイトも多いんです。私みたいな娘もいればそうじゃない人も。おみちの入り方はそれぞれでこれについてはわかっているつもりです。
「そうした人はまた違うこと言うわよ」
「でしょうね。それもわかっているつもりだけれど」
「実際に感じると違うでしょ」
「ええ。じゃあそうした人達は」
 ここでわかりました。
「私とは全然違う感触なのね、やっぱり」
「特にあれじゃない?」
 また言われました。
「何も知らないで寮に入った人なんかは」
「そうよね。かなり戸惑うわよね」
 何せ周りはおみちの人ばかりで。それで自分は何も知らないで急に二十四時間おみちのことばかりになるとかなりのショックを受けるのは間違いありません。実際にそうした人もいると思います。
「そうした人にこそ」
「色々と助けてあげてよね」
「わかってるじゃない」
 にこりと笑って言われました。
「感心感心」
「何か今の言い方って」
 微妙に引っ掛かるものがありました。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ