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獣篇V
3 勝ち負けはハッキリさせましょう。

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_「物騒なことを言いますね、あなたは。お仕置きとは一体何なのですか?」

_「お前の行動の自由を制限すらァ。手始めに部屋に軟禁、でもいいなァ。」

_「また軟禁ですか?軟禁ばっかりじゃ辛いですわ。あ、ではこうしましょ。一緒に道場で手合わせをして、勝った方の言い分をきく、というのはどうかしら?」

_「…仕方ねェなァ。だが、自分に都合が悪い展開になっても条件を変えたりはしない、ことにするなら、乗ってやってもいいぜェ?どうする?」

_「いいわ、やりましょ。」





道場にて---

お互いに竹刀(しない)を持って戦う準備をする。竹刀を合わせ、構える。

_「面ッ!」



私から切り出した。さすが晋助、ちゃんと攻撃をはね返す。このまま畳み掛けるように続けざまに切りつける。

防御線も確保しながら、試合を続ける。負けられない。晋助(かれ)を隅に追い詰めて一本取ろうとしたとき、一瞬あちらの動きの方が早かった。私が一本取られそうになった。急いでバク転して攻撃を交わす。また中央に出てきてしまった。くそ、このままではこちらの体力が持たない。どう切り抜けようか。


一か八か、乱斬りを始めた。
当たらない。刀を使ってカンフーの技を決めた。晋助(かれ)と距離を取り、助走を付けて片足を鳩尾に決め込む。だが、すんでのところでその足を捕まれ、地面に叩きつけられた。とっさに受け身の体勢で着地する。そこに斬り込まれたので、竹刀で防いだ。

_「ハッ、お前、体力が落ちたなァ?白夜叉殿ォ?」


状況はまた膠着状態である。

_「だってまだ本気じゃないもの。」



自慢の開脚で、晋助(かれ)の両足を払い、相手がバランスを崩したタイミングを狙って、開脚後転をして立ち上がる。一瞬の動きだったので、面食らったようだ。面食らっている間に斬り込むと、攻撃を跳ね返された。なので、八相に構えて脛を打つ降りをして胴に決めた。が、そう上手くいかず、胴に決める寸前で面を取られた。

つまり、ここまでの描写は長かったが、私はこの試合に負けたのである。
さァて、と晋助が悪い笑みを浮かべた。心底むかつく笑みだ。

_「零杏…とりあえず、部屋に帰るぜェ?覚悟しろや。」



負けたものは仕方ない。

_「…分かったわ。」



竹刀をしまって、部屋へ戻る。
部屋に着いたら、(なぜか)もう敷いてあった布団の上に突き飛ばされた。体勢を整える前に、覆い被された。端正な顔が目の前に迫っている。

_「顔が近い!」

_「あ゛ァ?仕方ねェだろォ?お前のせいだからなァ。元凶はお前だァ。ククク)」

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