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おぢばにおかえり
32部分:第六話 レポートその一
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第六話 レポートその一

                      レポート
「それだけ?」
「それだけだけど」
 次の日私は皆にかなり強引に昨日のことを言わせさせられました。大学の食堂でこのことを話しています。白い食堂でかなり奇麗なんですよ。
「悪い!?」
「面白くないわよねえ」
「ねえ」
 皆顔を見合わせて無責任なことを言います。
「それではい終わりなんて」
「何なのよ」
「どうすればよかったのよ」
 私にしては短かったのに色々あったデートなんですが。それでこんなことを言われるのは正直かなり心外だったりします。何なんでしょう。
「それは決まってるじゃない」
「デートよ」
 皆かなり楽しそうな笑みを浮かべて私に言ってきます。
「最後まで、ね」
「詰所にはお布団もあるしデートのご褒美に」
「ちょ、ちょっと」
 ああ、また顔が真っ赤になってくのがわかります。何でいつもいつも顔がすぐ赤くなるんでしょう。しかもこれもいつもですが新一君のことで。
「何よそれ、結局そういう話になるの?」
「あのね、ちっち」
 友達の一人が呆れた目で私に言ってきます。
「あんたの歳で彼氏一人もいないって何?」
「しかもその暦十九年」
 他の友達も言ってきました。十九年ってつまり私が生きている間なんですけれど。
「何考えてるのよ」
「それでキスもまだなんて」
「全然いいじゃない」
 何でこんなことを言われるのか甚だ心外でした。
「そんなの別に。だから私は」
「結婚するまでって」
「今時こんなこと言う女の子がいること自体が驚き」
 あげくにこんなことをいつも言われます。
「何、それ」
「新一君可哀想」
「新一君が可哀想なのね」
「そうよ」
 何でこうなるのかすっごくわからないですけれど。こうした場合いつも悪者になるのは私で。新一君は何だかんだで愛されているんです。
「可哀想じゃない」
「可愛いしね、彼」
「可愛いって」
 その言葉に無意識のうちに眉が顰められちゃいました。
「何処がなのよ」
「それは何時も側にいるから思わないだけよ」
「そうそう」
「いつもって言うけれどね」
 何かまたまた頭にきてきました。
「新一君が勝手に来るんだし。こっちは迷惑してるのよ」
「そうは言うけれどね、ちっち」
「あのね」
 何か今の言葉に皆ムキな顔になってきました。
「あんなに一人を見てる子ってねえ」
「いないわよねえ、普通」
「何が言いたいのよ」
 あの、本当にわからないんですけれど。たまには他の女の子のところに行けばいいのに。そう思っているんですけれど向こうが勝手に来ますし。
「あんなのが一緒にいてもね。困るだけだし」
「こりゃ駄目だわ」
「そうみたいね」
 何か急に匙を投げた感
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