第三章
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「本人が言っていたことで」
「そのドクターがですね」
「はい、そこも」
「そもそもドクターだったのかもわからないです」
これも自称ではないかと言うホームズだった。
「このことでさえ」
「一切謎ですね」
「はい、しかしです」
ドクターエスが何者かのかは一切謎だった、ホームズにもわからない。だが彼はここであえてこう言った。
「しかし彼が天才的な人物であることは事実です」
「そのことはですね」
「四日で独自の調査をしてです」
そのドクターがだ。
「犯人の一人がわかり」
「そしてですね」
「後の二人もわかった、警察も四日ではわからなかった」
このことを指摘するのだった。
「それなのにです」
「彼はですね」
「三人全てを発見しています」
「犯人達を目撃したという話はありました」
それ自体はと話す刑事だった。
「どれも断片的でしたね」
「柄の悪い若い男達位としかです」
それ位しかわからなかったというのだ。
「わからなかったのですが」
「どうして彼等とわかったか」
「ホームズさんはおわかりですね」
「はい、犯人はわかります」
このこよはとだ、またこのことについて答えたホームズだった。
「それ自体は」
「左様ですね」
「グラスゴーで柄の悪い若い男なぞ星の数程いますが」
それでもというのだ。
「被害者の彼氏を殴った酒瓶の破片でわかります」
「そこからですね」
「はい、僕もです」
刑事に自信に満ちた声で答えた。
「その酒瓶の酒がどういった酒でどの店で売られていて誰が買っているのか」
「そこまで調べてですね」
「犯人を突き止めてです」
「後はアリバイを崩す」
「それは出来ます」
「このことはドクターと同じですね」
「問題はどうして事前に犯人達を特定出来たか」
「このことですね」
「そうです、それが出来たのはです」
それはというのだ。
「ドクターエスが僕並の推理能力の持ち主であり」
「そしてですね」
「はい、しかもです」
それに加えてというのだ。
「三人の犯人達のそれからです」
「次々と変死しています」
「一人は川で溺死、一人はアルコール中毒、最後の一人は勤め先の食肉問屋の大型冷蔵庫の中で凍死」
ホームズは彼等の死因を淡々と述べていった。
「全て事故死と言っていいですが」
「しかしですね」
「これは僕も思います」
あさにというのだ。
「ドクターエスが殺しています」
「やはりそうですね」
「しかしどうして殺したのか」
「それはですね」
「これは僕の推理ですが」
ホームズはこう前置きして刑事に話した。
「溺死は夜に後ろから近寄りです」
「川にですね」
「無言で突き落としたのです」
「そうして事故死に見せ掛けた」
「
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