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名探偵と料理人
第五十話 -揺れる警視庁 1200万人の人質-
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「はい紅葉、お弁当」

「ありがとぉ、龍斗。それにしてもいよいよやねぇ」

「…普通、模試の前なんて緊張するか憂鬱になるかのどちらかだと思うんだけど……随分と楽しそうだね?」

「そやろか?」

「うん。すごく笑顔になってるよ。気づいてない?」

 

俺にそう言われて初めて自分が笑っていることに気付いたのだろう。自身の顔に手を当て、はにかむような笑顔を浮かべた。

 

「ほんまや……ふふっ」

「お嬢様、それに龍斗様。ご歓談中恐縮ですがそろそろ学校に行くお時間です」

「ああ、伊織」

「伊織さん。もうそんな時間ですか」

 

時計を見ると、丁度7時になるところだった。

 

「ええ。今日は全国模試があるとのことで早めの登校のご予定だったはずですので」

「そうやったな。じゃあ伊織、それに夏さん。ウチらはそろそろ出ますね」

 

紅葉は皿洗いをしていた夏さんにも声をかけた。

 

「ええ、いってらっしゃい紅葉ちゃん龍斗君。普段勉強している二人にはいらないお世話かもだけど、つまらないケアレスミスなんてしないように時間いっぱいまでしっかり見直しするのy…するんだよ?」

 

あ、ちょっと女言葉になりそうになった。伊織さんもいるし慌てて言い直していたけど。

 

「分かりました」

「ウチも大丈夫や」

「では、いってらっしゃいませ」

「気を付けてね」

「「行ってきます」」

 

俺達は二人に見送られ、帝丹高校へと歩き出した。今日は11月8日の日曜日。なぜ、休日にも関わらず、俺も紅葉も制服に着替えて朝早くから学校に向かっているかというと伊織さんが言っていたと通り、全国模試が開催されるからだ。幼馴染みズと一緒に、空いた時間を見て勉強してきたからそれなりの結果は出せるだろう。おっと、パトカーか。

俺はパトカーが通り過ぎるのを待って紅葉に話しかけた。

 

「それで?さっきは聞きそびれちゃったけど、なんで紅葉は笑っていたの?」

「ウチ?ウチはね……教えてあげてもええけど、龍斗のことを先に教えて欲しいな」

「俺?」

「龍斗さっき言うとったやん。「緊張するか憂鬱になるか」って。龍斗はそのどっちでもあらへんやん。いつも通りや」

「俺は……まあ、ほら。語学系は(転生特典もあって)確実な得点源だし、生物化学は前の人生のお蔭で大丈夫だしね。確実に取れる科目があるから心に余裕がある、だからいつも通りなのさ」

 

さらに言うなら1000年以上生きてきて今更ペーパーテスト?だから、何?って感じがあるのと、学力の良し悪し関係なしに自活できる経済基盤が出来ているから、かな。まあ父さんたちに見せて恥
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