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エアツェルング・フォン・ザイン
そのさんじゅう
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「少し待ってなさい」

するとパチュリーは図書館の床に、魔方陣を書き始めた。

「何書いてるんだ?」

「精密探査魔法用の陣よ」

五分程待っていたら、パチュリーに声をかけられた。

どうやら完成したようだ。

「ザイン、その陣の中心に立ちなさい」

「封印とかしねぇよな?」

「されたいなら言いなさい。一分で陣を書き変えるわよ?」

「おお、こわい」

大人しく陣の中心に立つ事にした。

「それで?」

パチュリーが一枚の紙を陣の外周に置いた。

「そのまま二十秒くらい動かないでいてくれるかしら」

するとパチュリーは呪文を唱え始めた。

全く聞き取れない…多分、この世界のどの国の言語でもないだろう…

そして、パチュリーが呪文を唱え終えると、陣が淡く輝いた。

その輝きは次第に激しくなり、やがて目を開けていられない程になった。

「うわっ!眩し!?」

「ザイン、もういいわよ」

光が収まり、うっすらと目を開けた。

目を開けると、パチュリーがさっきの紙を手に取って眺めていた。

「パチュリー?」

「もう陣から出ていいわ」

パチュリーは俺を放って紙を読んでいる。

途中で小悪魔が来て椅子を用意してくれた。

「ありがとな小悪魔」

「いえいえ」

小悪魔にグリモワールを持ってきてもらい、目を通している内に、パチュリーの調査が終わったようだ。

「パチュリー、何かわかったか?」

「ええ、なかなかに面白い結果が出たわ」

パチュリーにさっきの紙を手渡された。

「どう?」

そこに書いてあった、"知識にない"文字を読み、その意味と内容を知った。

「はは…ははっ…はははははっ!
成る程…そうか、そういう事か…」

その内容にあった事象を、俺は数度見ている。

「リムーブ・コア・プロテクション…」

核心防壁解除。

彼の王を以てして、自分以上の剣技を持つと言わしめ、その身を剣と化し、想い人と共に、彼の王に使えた青薔薇の騎士。

彼が肉の体を棄てた時。

それが一度目。

カルディナ統一後、彼の王が星王になった日。

俺は彼に忠誠を示した。

それが二度目。

神話級宇宙獣討伐の時、その身を武器と化し、刺し違えた部下。

彼女が覚悟を示した時。

それが三度目。

「そうか!はは!これは傑作だ!」

彼女亡き後、このたった3ワードの神聖術は禁術となった。

それを、再び目にするとは…

「貴方が食べたフランの羽の魔力が、貴方の完全な眷属化を防いでいるわ。
それどころか、今の貴方はその魔力を通してフランに対して同じ事ができるわ」

ふーん…

「そ
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