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エアツェルング・フォン・ザイン
そのにじゅうろく
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いと?」

個にして群、一にして全…

なるほど、平行世界の自分との境界を弄ってるのか…

「で…そこ!いつまでも笑ってるのよ!?」

霊夢と魔理沙は未だに笑っている。

「BBA…くく…BBA…」

「あっはっはっはっは!」

腹を抱えて笑っている。

「まぁまぁ、落ち着けよロリBBA」

「貴方のせいでしょうが!」

俺の真横にスキマが開き、そこから白手袋に包まれた拳が飛んで来た。

「あぶね!」

反射的に剛気功を展開すると、鐘を叩いたような音が響いた。

「チッ…」

八雲紫の横にもスキマが開いており、彼女はそこに腕を突っ込んでいた。

スキマ越しに殴ろうという魂胆だったらしい。

しかもさっきの金属同士がぶつかったような音からして、妖力で拳を強化していたようだ。

「おいおい、弾幕ごっこじゃないのかよ?」

「貴方はこっちの方がいいでしょ?」

「お?やってみる?術無しで体術だけならいい勝負できる気がするぜ」

「嫌よ、なんで戦神として神力持ってるような妖精とそんな縛りプレイで殴り合いしなきゃいけないのよ?」

「は?」

「あら?気付いてなかったのね。
貴方はかの世界で戦神として祀られていたじゃない」

かの世界?UW?

八雲紫は俺と真正面に向き合って、閉じた扇子をこちらに向ける。

「今の貴方はとても混沌としているわ。
今の貴方には力がある。
大地の妖精としての力。
前世からもたらされた程度の能力。
戦神としての権能。
いろんな物が渦巻いている」

そんな事になっていたのか…?

「まぁ、でも安心なさい。
矛盾する力は宿していないわ」

「へぇ〜」

「では私は戻るわ。その前に…」

八雲紫の目の前に二つ、霊夢と魔理沙の頭上に一つづつスキマが開き…

ガスッ!

「「いったぁ〜い!」」

八雲紫が二人の頭上に拳骨をおとした。

「ではごきげんよう異世界の武神様」

「あばよ八雲紫」

「いちいちフルネームで呼ばないで欲しいわ」

「はいはい、じゃあな紫」

すると紫はニッコリと微笑んでスキマの中に消えていった。

「おい御両人。俺も帰るからな」

と頭を抱えて踞っている霊夢と魔理沙に言った。

「待ちなさい…妖精講師…」

紫に叩かれた頭を押さえながら霊夢が起き上がる。

「アンタには一発…拳骨の分を返さないと気が済まないわ…」

「いや八つ当たりじゃねぇか」

「私も参加するぜ…」

「リンチかよ…まぁ…やってやるよ」

俺達三人は飛び上がり…

「夢想封印!」

「マスタァー……スパァァァァァァク!」

いきなり大技を向けられた
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