暁 〜小説投稿サイト〜
天使のような子に恋をした
天使のような子と旅行先で出会った
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のかよ? 南さんがいたって話は」

「ああ、本当だ。というか穂乃果ちゃんと海未ちゃんも一緒にいたぞ。あっちは俺達に気付いてなかったみたいだけど、アレは絶対ことりちゃん達だった。ファンである俺が見間違える訳がない」

 ……まあ、翔真がここまで言うんだから間違いないだろうな。

 ということはコイツの言う通り、この飛行機には南さん達も乗っているのか……。

 ──会えないかな。

「この飛行機って沖縄行だろ? だから音ノ木坂も修学旅行っぽいな。いやー、まさか重なるとは」

「……すごい偶然だ」

 もしかしたらあっちで南さんと話す機会があるかもしれない。いや、あっちじゃなくてもこの飛行機内でばったり会って、なんてことも──

 そんな事を考えながら、飲みかけのジュースに口を付ける。ああ──美味い。

「……そういや最近どうよ」

「……念のため聞くけど、どうって何がだよ?」

「決まってるだろ。ことりちゃんとの仲だよ」

「んぐっ!? ゲホッゲホッゲホッ!」

 何を聞いてくるかと思えば。突然そんな事を聞いてくるから器官にジュースが入ってしまった。相変わらず翔真はニヤニヤしながら俺を見ている。少しは俺を心配する気概があってもいいだろうに。

 ──それにしても南さんとの仲、か……。それを考えると、自然と心が重くなるような、そんな感覚に陥る。出来ることなら、あまり考えたくなかった。

 すると、翔真がまるで見透かしたように聞いてきた。

「おっ、その様子だと上手くいってないみたいだな」

「……上手くいってないというか、そもそも最近会えてないんだよ」

「あれ、そうなのか? てっきり毎日会っているかと思ってたけど」

 ──そう、実はここ2週間、南さんと会うことが出来ていない。普段なら俺の家の前で待っているくらいなのに、ある日を境にしてそれが無くなった。最初は用事でもあるのかなとも思ったけど、どうやらそうでもないらしい。事実、今日という今日まで会えてないんだから。

 そして、そのある日というのがライブの翌日──つまり、俺が南さんに初めて“可愛い”と言った日の次の日からで。

 ──原因って絶対コレだよなぁ……。

 最悪、南さんに嫌われてしまったということも十分に有り得る。もしそうだったら俺の初恋はそこで幕を閉じることになる。仮にそうなった場合、潔く諦めるしかない。ストーカーにはなりたくないし。

 ──考えたくもないけど。

 ちなみに何度もRIMEを送ろうとしたけど、南さんに迷惑が掛かると思って結局送るに至ってない。ヘタレだよなぁ、俺。

「なるほどな。だけどことりちゃんはお前のことを嫌ったりなんかしてないぜ」

 事の顛末を聞いた翔真は、どこか達観し
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ