暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と和歌山の海と山
第一幕その三

[8]前話 [2]次話
「空海上人と最澄上人はね」
「その人達の中でもなんだ」
「特に重要な人達なの」
「高野山と比叡山も開いて」
「凄い人達なのね」
「そのせいかね」
 ここでこうもです、先生は皆にお話しました。
「京都、都があるね」
「ああ、あそこね」
「京都は日本の昔の首都だったわね」
「それも千年の間」
「そうだったね」
「その京都にね」
 まさにというのです。
「結界、霊的に守る為のそれを築く為にね」
「高野山と比叡山があったの」
「そうだったの」
「仏教では鬼、邪なものが出入りする方角があるとされているんだ」
 このことからお話する先生でした。
「全部の方角を東西南北、十二の干支で十二の方角に円で分けているけれど」
「そういえばそんなのもあったね」
「中国から来た教えだったね」
「その教えが日本にもあって」
「それでなのね」
「都の結界にもその考えが入って」
「そう、それは北東と南西だけれど」
 その方角だというのです。
「そこにそれぞれ比叡山と高野山があるんだ」
「鬼が出入りする方角に」
「それぞれお寺を置いて」
「そうして都に鬼が出入りするのを防ぐ」
「そうしているんだ」
「そうだよ、その南西にあるのが高野山なんだ」
 まさにそこにというのだ。
「北東が比叡山でね」
「じゃあお二人はそこまで考えてなんだ」
「それぞれのお寺を置いたんだ」
「都、つまり国を護る為に」
「宗派も開いたのね」
「そうだよ、だからこの人達は重要なんだ」
 日本の仏教の中でもというのです。
「空海上人と最澄上人はね」
「成程ね」
「じゃあね」
「高野山に行く時があれば」
「是非だね」
「先生も学びたいんだね」
「そう考えているよ、高野山に入ったら」
 まるで少年みたいに目をキラキラとさせて語る先生でした、先生は学問についてはいつもこうした目になります。
「もう隅から隅まで見てね」
「そうしてだね」
「フィールドワークをじっくりと学んで」
「そうしてだね」
「隅から隅まで学んで」
「また論文を書くのね」
「そうするよ、そして論文を書いてね」
 そのうえでというのです。
「さらにだよ」
「さらに学ぶ」
「真言宗、そして日本の仏教のことも」
「学んでいくんだね」
「そのつもりなのね」
「学問に終わりはないからね」
 これはどの学問でも同じというのが先生のお考えです。
「だからね」
「それでだね」
「今回論文を書いてもだね」
「先生は仏教の勉強を続けていくのね」
「仏教学を」
「そして他の学問も」
「そうしていくつもりだよ、ただ今はね」
 どうかと言う先生でした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ