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俺の屍を越えてゆけ 暁一族 戦記
序章
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花は桜に駆け寄り如何したのかと尋ねるが桜はイツ花に抱き付いて思いっきり泣いた。イツ花は慌てたが当主が残した物を読んだと知ると納得しそっと桜を抱きしめた。思いっきり泣き続ける使えている当主の娘を……。


「当主様お帰りなさいませ!!」
「ああ、ただいまイツ花先生」

漸く帰ってきた当主は全身傷だらけになりながらも確りと生きて帰ってきた。携帯袋の中は鬼から得た戦利品の山でパンパンに膨れ上がっていた、取り合えず血塗れな身体を洗おうと既に沸かして風呂で湯浴みをしようと玄関に上がろうとした時、廊下から桜がこちらへと駆け寄ってきた。そしてそのまま自分に飛び突き抱きつき押し倒した。

「おどうざまぁぁおかえりなざいまぜぇぇ……!!」
「さ、桜!?えっ何、どうした!?ってというか桜今汚いから退いて!?」

いきなり飛びついてきた娘は先月とはまるで別人のようだった、自分の安心に心から安堵して喜びながらも泣いている。それに慌てている為か突き放そうとする口調が出来ずに純粋に一人の娘を持つ父の口調になっていた。

「わだじ、わだじぃおどうざまが、わだじのごどを愛しでぐだざってる事も分からずに、嫌いなんて言ってごめんなさいぃぃぃ……桜は、桜はお父様のむすめじっがくですぅぅ……」
「分かった分かったから取り合えず離れようよっね!?桜も汚れちゃうからね!?」
「いやでずぅ〜もうはなれまぜんぅ〜!!」
「えええっちょっとイツ花先生何で笑ってるの!?な、なんとかしてよ!?」
「いやぁバ〜ンっと!良かったなぁと思いまして!」
「えええええッッ!!!!?」

この暁 大地と桜は本当の意味で親子としての絆を手に入れた、これからは二人で力を合わせていけるだろう……大地も今までの態度を改め、桜も父に笑顔を見せ甘えるようになった。しかし

「お父様!!不肖桜お背中をお流し致します!!」
「い、良いから一人で出来るから!?」
「お父様一緒に寝ましょう!!」
「さ、桜頼むからゆっくり寝かせて……」

この時から桜が異様なまでに大地にべったりとなってしまい大地は苦労する事になってしまった。

しかし暁一族の朱点討伐の物語はまだまだ、始まったばかりなのである。
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