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リュカ伝の外伝
人徳と為人と
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(グランバニア城・宰相執務室)
ウルフSIDE

最近、城の内外で『♪ウ〜ルポンポン?』と俺を馬鹿にしてる様な歌を歌う女子供をよく見かける。
見かける度に『ウルポンって呼ぶな!』と怒ってるのだが、何で城の外のガキまで歌ってるのかが不思議で仕方ない。

俺の予想では犯人はレクルトだと思ったので、呼び出して上から目線で事の真相を調査させた。
犯人のレクルトは狼狽えながらデマカセを言うと思ったのだが、『了解しました宰相閣下! 大至急調査して参ります!』とガチで調査を引き受けやがった。

“アイツふざけんなよ”と思ったが、俺も仕事が忙しくて深く追求出来ず奴を野放しに……
暇が出来、早速ブン殴ろうとレクルトを呼び出すと、『例の件……調査終わりました』と何時までも自分が犯人である事を認めなかった。
だから馬脚を現させようと、奴の言う調査報告を聞く事に。

すると本当に奴は犯人では無く、もっと身近な人物が犯人である事は判明。
そう……俺の彼女のマリー嬢だった。
しかも世間に広めたのはメイド等で、誰が主犯とか特定出来ない状態。

「ふ……ふざけやがって……」
「いやぁ〜流石は天才宰相ですねぇ。国民への慕われっぷりが尋常じゃない! 羨ましいですなぁ〜」
微塵も羨ましがってない顔で、レクルトは俺をコケにする。

「ユニさん! 今すぐこの歌を歌う事をメイド全員に禁止させろ! これは宰相からの命令だ」
「ムリです。天才宰相を慕ってる皆様は、この歌を大層気に入ってます。禁止にするなんてとても……」
ここにも俺を慕ってない輩が一人居た。

「そうですよ天才宰相閣下。もう皆の心に染み渡ってますから、今更禁止にした所で手遅れです。絶対に歌い継がれます」
「な、何なのそれ!? お前等ここぞとばかりに俺の事を“天才宰相、天才宰相”呼びやがって……」

レクルトの奴は、俺が最近コイツの事を『レッ君』と呼ぶから仕返しに『ウルポン』と公式の場でも呼んでくるのに、何で今は天才宰相閣下なんだよ!?
何にも解ってない……この歌を歌う奴等は俺の事を微塵も慕ってないんだ。

「知ってるのかお前等……先日城下でガキ共が、道路に落書きしてたから興味本位で見に行ったら『あ〜ウルポンだぁ(クスクス)』って笑いやがったんだぞ!」
「可愛いじゃぁないですか、子供。天才宰相閣下も時機にお父さんです。心を広く保ちましょうよ……僕は未だ未だ先の事ですけどね」

「うるせぇ! 頭きたから道路に描いてた落書きを添削してやった! 辛口に……」
「本当に大人気ねーなぁ……」
何とでも言え!

「あ! そう言えばマリーはリュカさんの歌も歌ってたじゃん。何でアレは広まってないの?」
「何でって……あんな失礼な歌が広まる訳ないでしょ! 歌ってたマリーさんが、ビアン
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