暁 〜小説投稿サイト〜
獣篇U
8 独占欲が強い男ほど面倒くさいものはない。
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
_「…いや、だってなァ、元々あんな野良犬が日輪に会おう、だなんて無理な話だったんだよォ。オレたちだって口も聞けねェような存在だせェ?それに、1日一杯引っ掻けるのにちょうどいい感じだったんだよォ、あの金。」


ん?誰か来た。あのシルエットは銀時か?だが、こちらは黒髪である。
普段と化粧も違うので、多分バレないとは思うが、そこは慎重に。
話を聞き直す。

_「オイオイ、ひでェヤツだねェ。
え?じゃあホントに一錢もないの?」

_「ないね。
まァ、構うこたァねェだろう。
どうせあの野良犬のことだァ。ろくでもねェことして掴んだ金に違ェねェんだ。文句を言われる筋合いはねェよ。」

_「確かに、そうかもしんねェな。
今度晴太が来たときゃァ、オレも誘ってくれよ。」

_「うっとォ…言わなきゃよかったなァ?」


おォ!なんかスッキリした。

_「んなこったろうたァ、思ってたぜェ?まァいいさ、最初ッから金で会える相手たァ思っちゃいねェ。
ねェちゃん、いくらだ?」


どうやらあの者も、百華の者くさいな。

_「お代は結構です。スッキリさせてもらえたので。」

_「晴太の知り合いか?」

と、銀時が尋ねる。

_「…ぁ…ここでは有名でしたので。子どもの来るようなところではないのでね。」

_「これっぽっちか…」

オイコラッ!何やってンだいい歳して!


_「日輪と晴太を逢わせようと考えておいでで?」

_「うるせェ餓鬼にいつまでも住み着かれちゃァ、迷惑なんでなァ。身寄りでもいねェかと探しに来ただけさ。金のねェヤツァ、どうやって日輪に会えばいい?」

_「日輪は、この吉原最高位の太夫…よほどの上客でなければ逢えません。諦めた方がよろしいかと。この吉原桃源郷は、地上とは別の法で縛られた一個の国。上の常識は通じません。ここのルールに従って頂たかなければ、二度と上へ戻れなくなりますよ。」

_「わりィなァ。オラァ、上でも下でも自分(てめぇ)のルールで生きてんだ。」


攻撃をかわし、銀時が去った直後、百華の者たちが駆け寄ってきた。煙管をしまい、緊急の連絡をする。そして、鳳仙に伝えにいってくる、と伝言を残してその場を去った。ある程度までくると、鳳仙のいる建物のフロアのトイレにワープする。一応、トイレがあることは確認しておいたので、大丈夫であろう。
部屋につくと神威に連絡を取り、無線を繋げた。
失礼します、と声をかけ、襖を開ける。襖を閉めて、鳳仙のずっと前方に座る。すると、おもむろにこう聞かれた。



_「百花を動かしてんのか。」

_「妙な浪人が一匹、潜り込んでいるようで。百花の者が一人、やられました。相当な手練れ。
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ