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提督はBarにいる。
春の訪れは揚げ油の香りと共に?・その2
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をして寝かせておいた鶏肉に、卵白と薄力粉、片栗粉を纏わせる。

「そういえば、片栗粉だけではダメなのか?」

「ダメって訳じゃあねぇが……片栗粉だけの衣じゃあ、竜田揚げと大差ねぇぞ?」

「そうか、片栗粉の衣では竜田揚げになってしまうか……」

「まぁ、その辺は作る相手の好みに合わせれば良いんじゃねぇか?」

 唐揚げを引き上げる為に那智が油に突っ込んでいた菜箸がビクッと動き、その瞬間に跳ねた油が目の下に着地した。

「ぅあっち!」

「すまない、大丈夫か!?」

 跳ねた箇所が箇所だったから多少ヒヤリとしたが、揚げ物やってりゃ油ハネなんて日常茶飯事だからな。大した事はない。

「にしても、作る相手の好みに合わせれば……って言われて狼狽えるなんざ、初心いなぁ?」

 ニヤニヤと笑いながら指摘すると、那智の眉間にシワがよっていく。

「あまりからかうな!」

「おやおやぁ?俺は別に『彼氏の好みに合わせろ』なんて言ってねぇぞ?作る相手の好みに合わせろとは言ったけどな」

「な、な、な……」

 みるみる内に赤くなり、酸欠の魚のように口をパクパクさせる那智。作ってやる相手を思いやって作るのは、料理の基本中の基本。それが恋人に対してなのか、家族や友人に対してなのかはさておき。

「さて、アワアワしている暇はねぇぞ?基本の醤油と塩の唐揚げは教えたからな。こっからはアレンジレシピを教えてくからな」






《お家で簡単再現レシピ!?なんちゃってKFC》※分量:必要なだけ

・鶏肉(モモ肉、むね肉、手羽先等。骨付きオススメ!):食べたいだけ

・牛乳:400cc

・卵:1個

・薄力粉:2カップ

・黒胡椒:小さじ2

・オールスパイス:小さじ1.5

・塩:大さじ1.5〜2


 フライドチキンと言えば、あの白一色のじいさんが目印のチェーン店が有名だよな。たま〜にだが、無性に食べたくなる時がある。あの店独自の味付けは11種類のハーブやスパイスのオリジナルブレンドから成り立っているらしいが、これは家庭でそれに近い味を作れないか?とチャレンジしたレシピだ。

「さてと。まずは鶏肉の水分をペーパータオルを使って拭き取っておく。こうしないと、衣が上手く馴染まないんでな」

「私は何をすれば良い?」

「んじゃ、そこにある卵と牛乳を混ぜ合わせておいてくれ。粉を付ける前に浸しておく卵液だ」

「了解だ」

 那智が卵と牛乳を混ぜ合わせている間に、俺は秘伝の粉を作るぞ。秘伝っつっても、薄力粉に塩、黒胡椒、オールスパイスを混ぜ合わせてやるだけなんだけどな。オールスパイスが無い時には、シナモン、ナツメグ、クローブを1:1:1の割合で混ぜてやると同じような味
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